研究課題/領域番号 |
20K10531
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研究機関 | 琉球大学 |
研究代表者 |
井岡 亜希子 琉球大学, 医学部, 委託非常勤講師 (10504871)
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研究分担者 |
増田 昌人 琉球大学, 病院, 特命准教授 (30295323)
中村 幸志 琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80422898)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | レコード・リンケージ / 保険医療情報 / プロトタイプ / 自動処理 |
研究実績の概要 |
本研究課題は、医療施策のアウトカム(成果)の評価のために、様々な機関で保有される保健医療情報について、個人情報の取り扱いを最小限にした上で相互連結(レコード・リンケージ)を行い、データ利用申請受領からデータ提供までの一連の作業を、自動で処理する新技術を開発するものである。平成28~30年度に我々は、個人情報の取り扱いを最小限にしたオーストラリアのCHeReL(Centre for Health Record Linkage)の仕組みを参考に、日本人特有の姓名漢字に対応するため、エントロピー理論を組み込んだ高精度のレコード・リンケージの方法を確立、その上で日本版CHeReLシステム(プロトタイプ)の開発に取り組み、アプリケーションプログラムに実装、検証した(JSPS科研費 JP16K09060)。 令和2年度は、より効率のよい同一人物の同定作業を実現するため、照合に使用する項目の追加、マスタの修正・削除・検索機能の追加、大量データの処理に向けた仕様の見直し及び処理速度の向上など、日本版CHeReLシステム(プロトタイプ)の改修を行った。本システムの実データを用いた検証や導入については、本システムが既存データのレコード・リンケージだけでなく、一意のIDを持たないデータにおいても一意のID付与などが可能で、これらの機能は既存データを利活用する際にニーズが高いことから、本システム導入と導入機関における個人情報の取り扱いに関する手続きとの関係を調査し、実現するために必要な体制を検討している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナの影響で国内の移動が制限され、また、個人情報を含む実データの施設外、更に室外への持ち出しは制限されているため、実データを用いた日本版CHeReLシステム(プロトタイプ)の検証作業がやや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
わが国における、個人情報の取り扱いを最小限にした上でレコード・リンケージを行い、データ利用申請受領からデータ提供までの一連の作業の自動処理を実現するため、日本版CHeReLシステム(プロトタイプ)の開発と検証に引き続き取り組む。令和3年度では、実データを用いた本システムの検証を実施し、大量データの円滑な処理に向けたシステム改修やエクスポート機能等の新たな機能の開発に取り組む。また、本システム導入に関する調査も引き続き行い、導入するための方法や体制を具体化する。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度は新型コロナの影響で国内の移動が制限されたため、システム検証や導入に関する情報収集・意見交換等を目的とした出張が困難であった。 令和3年度は新型コロナの動向を踏まえ、日本版CHeReLシステム(プロトタイプ)の検証等に必要な出張を行う予定である。
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