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2022 年度 実施状況報告書

保健医療情報のレコード・リンケージからデータ提供までの自動処理化に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 20K10531
研究機関琉球大学

研究代表者

井岡 亜希子  琉球大学, 医学部, 委託非常勤講師 (10504871)

研究分担者 増田 昌人  琉球大学, 病院, 特命准教授 (30295323)
中村 幸志  琉球大学, 医学(系)研究科(研究院), 教授 (80422898)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードレコード・リンケージ / 保健医療情報 / 個人情報 / 個人同定 / 自動処理 / システム
研究実績の概要

本研究課題は、医療施策のアウトカム(成果)の評価のために、様々な機関で保有される保健医療情報について、個人情報の取り扱いを最小限にした上で相互連結(レコード・リンケージ)を行い、データ利用申請受領からデータ提供までの一連の作業を、自動で処理する新技術を開発するものである。
令和4年度は、日本版CHeReLシステム(プロトタイプ)のシステム検証及び運用方法を検討した。システム検証では、そこから把握された課題を①データ取込、②データ取込用定義の作成、③出力、④同定設定、⑤マスタ検索に分類し整理した。また、これらを踏まえてシステム改修を進めた。具体的な内容は、①データ取込時、「姓名漢字・性別・生年月日が一致」が複数ある場合はエラーリストに含める、②データ取込時の必須項目の変更、③出力データに含まれるプロジェクトIDの形式変更、④同定の初期設定の変更、⑤システム上の項目名の統一などである。今回のシステム検証では医事情報(7~11万件)、病理検査データ(5万件弱)、院内がん登録データ(約1500件)を用いており、これら大量データの照合処理機能の改善を確認した。このような検証及び改修を進めつつ、がん対策などでの本システムの利活用を検討している。がん対策では①全国がん登録データを用いたがん検診の精度管理、②がん対策の施策立案と評価に必要な指標の開発などが急務であり、①ではがん検診受診者ファイルと全国がん登録データのリンケージ、②では健診(検診)データとレセプトデータ、全国がん登録データなどのリンケージが必要であることから、本システムの運用手順を整理している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

新型コロナによる国内の移動制限の緩和が十分でなく、また、個人情報を含む実データの施設外、更に室外への持ち出しは制限されているため、実データを用いた日本版CHeReLシステム(プロトタイプ)の検証作業がやや遅れている。また、本システム導入に関する現地調査もやや遅れている。

今後の研究の推進方策

わが国における、個人情報の取り扱いを最小限にした上でレコード・リンケージを行い、データ利用申請受領からデータ提供までの一連の作業の自動処理を実現するため、日本版CHeReLシステム(プロトタイプ)の開発と検証に引き続き取り組む。令和5年度も実データを用いた本システムの検証を進めつつ、①データ取り込み時に設定できる条件を検討、追加する。②現状のデータ出力機能は細かい部分に対し検討が不十分な為、データ出力機能を再検討し、必要に応じて追加する。③マスタデータの検索機能、及び修正機能の拡充。④各項目に対する重み付けの見直しを含め、姓名やフリガナ等主要項目について、より多様な表記に対応できるよう同定処理の調整を行う。⑤引き続き、大量データを処理するための性能向上を検討する。また、本システム導入を円滑に進めるために運用に関わる資料を作成し、がん対策における利活用を目指す。

次年度使用額が生じた理由

令和4年度は新型コロナの影響による国内の移動制限がやや緩和されたものの、その時期は下半期以降であった。したがって、システム検証や導入に関する情報収集・意見交換等を目的とした出張の回数が十分でなかったため。
令和5年度は新型コロナ流行などの動向を踏まえ、日本版CHeReLシステム(プロトタイプ)の検証や本システム導入に関する現地調査に必要な出張を行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2022

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] がん対策の施策立案と評価における既存資料とロジックモデルの活用-沖縄県と秋田県での取り組み2022

    • 著者名/発表者名
      井岡亜希子
    • 学会等名
      日本がん登録協議会第31回学術集会
  • [学会発表] がん対策の施策立案と評価における既存資料とロジックモデルの活用2022

    • 著者名/発表者名
      井岡亜希子
    • 学会等名
      第60回日本癌治療学会学術集会

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公開日: 2023-12-25  

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