研究課題
本研究では次①②を解明する;5,000を超える大規模な一般地域住民の配偶者ペアを用い、①配偶者同士の循環代謝疾患リスク因子の一致性は男女のランダムペアのそれと比較して高いのか?②片方の配偶者が循環代謝疾患リスク因子を修正した時、もう片方の配偶者も同様に修正するのか?この2点を解明することで、配偶者双方に向けた効率的・効果的な生活習慣の変容プログラムの開発を試みることであった。分析対象者は東北メディカル・メガバンク計画地域住民コホートの参加者で、家族関係調査票で同定された夫婦5,391ペアとし、この配偶者ペアの男女を配偶者ペアと同じ年齢同士になるよう、男性に対し女性をランダムに割り付け、配偶者ペアと同じ年齢同士の新しい男女のペアを作成した。平均年齢は男性 63.2 歳、女性60.4 歳であった。連続変数として用いた循環代謝リスク因子(身長、体重、腹囲、BMI、血圧、HbA1c、総コレステロール、中性脂肪、HDL-C、LDL-C)におけるランダムな男女ペア間の相関係数は-0.007~0.071であり、いずれも低い値であった。また、カテゴリー変数として用いた循環代謝リスク因子(現在喫煙、現在飲酒、十分な身体活動、高血圧有病、糖尿病有病、メタボリック症候群有病)におけるランダムな男女ペア間の一致のオッズ比は0.94~1.08であり、いずれも男女ペア間の有意な一致を示さなかった。したがって、生活習慣や生活習慣病の予防介入戦略のひとつとして、配偶者ペアに焦点を当てることにより効果が最適化できる可能性が考えられた。今後の夫婦に特化した効率的・効果的な生活習慣の変容プログラムの開発を検討した。特に今回は運動介入について系統的レビューを行った。その結果、7件の夫婦介入研究が公表されていた。その結果、効果あり6件、効果なし1件であった。詳しい内容については今後さらに吟味していく。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件)
BMC public health
巻: 22(1) ページ: 1978
10.1186/s12889-022-14348-6