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2023 年度 実績報告書

高齢期における下肢筋肉量の減少が糖尿病発症に及ぼす影響

研究課題

研究課題/領域番号 20K10534
研究機関北海道千歳リハビリテーション大学

研究代表者

世古 俊明  北海道千歳リハビリテーション大学, 健康科学部, 教授 (80808147)

研究分担者 大西 浩文  札幌医科大学, 医学部, 教授 (20359996)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード高齢者 / 下肢筋量 / 糖尿病 / インスリン抵抗性 / 肥満 / サルコペニア
研究実績の概要

本研究では、コホート集団を対象に縦断研究を行い、肥満の有無とは関係なく高齢者の下肢筋量の減少が、糖尿病発症とインスリン抵抗性(IR)進展に対する予測因子となるかを明らかにすることを目的としている。最終的な追跡者数は253名であった。
(解析結果)
①2017年に受診があった糖尿病及びIRの既往がない高齢者195名を対象に2023年までのIR進展をエンドポイントとした多変量解析を行った。最大6年間の追跡におけるIR進展者数は84名であった。また年齢、性別、2017年度の腹囲径、HOMA-IRで調整した多変量解析の結果、下肢筋量のハザード比(HR)は 0.90, (95%CI:0.82-0.99, p=0.033)であった。次に下肢筋量低下(第一四分位数以下)と腹部肥満の組み合わせでサルコペニア肥満(SO)、サルコペニア(S)、肥満(O)、健常(Ref)に分類した。IR発症に対するRefを基準としたSO、S、Oのリスクを同様に多変量解析で検討した。結果、SのHRは 2.78(95%CI:1.40-5.51, p=0.003)、SOのHRは 2.19(95%CI:1.18-4.06, p=0.013)であり、S単独のHRが最も高かった。
②糖尿病の既往がない高齢者253名を対象に2023年までの糖尿病発症をエンドポイントとした多変量解析を行った。糖尿病発症者数は12名であった。また年齢、性別、2017年度の腹囲径、HbA1cで調整した多変量解析の結果、下肢筋量の有意性を認めなかった。次に、糖尿病発症に対するRefを基準としたSO、S、Oのリスクを同様に多変量解析で検討した。結果、SのHRは 5.97(95%CI:1.13-31.5, p=0.031)S単独の有意性を認めた。
以上、高齢者の下肢骨格筋量の減少はIR進展および糖尿病発症のリスクであり、予測指標となり得る可能性がある。

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公開日: 2024-12-25  

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