研究課題/領域番号 |
20K10545
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研究機関 | 目白大学 |
研究代表者 |
重村 淳 目白大学, 保健医療学部, 教授 (90286576)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 人為災害 / CBRNE災害 / 心的外傷後ストレス障害(PTSD) / メンタルヘルス / 産業衛生 |
研究実績の概要 |
本研究課題のテーマである人為災害とCBRNE災害については、ウクライナ侵攻、スーダン内戦、イスラエル―ハマス紛争、COVID-19(新型コロナウイルス感染症)という世界的事象が相次いで生じた。それらを反映して、2023年度は以下のような研究実績となった。 ●ロシアによるウクライナ侵攻においては、在外邦人を対象とした論文を2022年度に執筆し(Shigemura J et al, Psychiatry Clin Neurosci, 2022)、2023年度にその成果を学会で報告した。 ●スーダンでは、2023年4月に国軍と準軍事組織「迅速支援部隊(RSF)」が戦闘状態となり、スーダン在住の邦人が国外に退避した。戦闘状態下での退避活動には生命の危険を伴い、かつ急激な喪失を体験する上、退避後の生活再建という複数の課題を強いられる。このような実態について、関係者に聞き取り調査を行った。 ●衝撃的な内容の災害報道によって視聴者が精神的不調を来たすことがある。2022年度に引き続き、2023年度も各種メディアに出演して、視聴者がメンタルヘルスを維持できるための対処方法を啓発した。 ・時事通信社:惨事映像、子どもの心にどう影響?保護者にできること(重村淳:コメント)。2024年1月7日 ・北海道新聞:戦争報道 心に強い影響(重村淳:コメント)。2023年12月5日
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の発生により、研究代表者・研究協力者が対応に追われた上、研究協力者の所属変更等あり、研究遂行のための時間捻出が極めて困難となっている。新たに発生する災害について研究・支援・教育・取材などの緊急対応が頻発し、研究成果物への知見が得られているものの遂行には時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
2024年度には、文献調査に加えて、国内外の研究者・実務担当者からの聞き取り調査を引き続き実施する。また、人為災害・CBRNE災害に対する労働者のメンタルヘルスについて、これまで得られた知見をまとめて、マニュアルを発刊する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
2023年度に参加予定だった国内・国際学会に参加できなかった。また、進捗が遅れている関係上、物品の購入が後ろ倒しになった。 残額は、2024年度の国内外の学会出張、国内外での聞き取り調査、成果物としてのマニュアル刊行費用等として使用予定である。
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