研究課題/領域番号 |
20K10548
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研究機関 | 国立研究開発法人国立循環器病研究センター |
研究代表者 |
竹上 未紗 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 室長 (50456860)
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研究分担者 |
西村 邦宏 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 研究所, 部長 (70397834)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 脂質異常症 / フレイル / 高齢者 / 介護予防 / 心血管疾患 |
研究実績の概要 |
高齢者においても心血管疾患のリスク管理は重要であるが、一次予防を目的とした脂質低下療法の効果についてのエビデンスは十分ではない。高齢者では、心血管疾患以外の併存疾患、薬物代謝能力の低下、低栄養、フレイル、多剤投与など考慮すべき多くの問題があり、脂質管理の目的として、心血管疾患の予防だけでなく、フレイルおよび要介護状態への移行を遅らせることも重要である。本研究は、心血管疾患の予防として重要な脂質異常症について、要介護のリスクであるフレイルを考慮に入れた上での管理のあり方を検討することを目的としたものである。 本研究の重要なアウトカムの一つであるフレイルは、通常の健診、レセプト、介護レセプトデータには含まれていない。そのため、本研究では質問票にてフレイルを測定することとしていた。自治体によるヘルスケア基盤事業の一環として住民の健康調査を実施することになったため、共同で測定項目を策定し、質問票調査を実施した。質問票には基本チェックリストを含めた。71歳以上の長期入院をしていない住民約16000人を対象に郵送による質問票調査を実施し、6663人より回答を得た。フレイルの判定ができた6540人のうち、フレイルと判定された割合は24.2%であった。男性(平均年齢, 78.0歳)は22.0%、女性(平均年齢, 78.8歳)は26.1%と男性に比べ女性でフレイルの割合が多かった。併行して、前年度より整備を進めているデータベースの更新を行うとともに、レセプトを用いて脂質薬の情報整理を進めた。次年度は、脂質値とこれらのデータをリンケージし、分析を進める。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
初年度はデータベースの構築と次年度実施する調査の準備を進め、二年目である今年度は質問票調査を実施することができ、おおむね計画通りに進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は、特定健康診査、後期高齢者健康診査データ、国民健康保険、後期高齢者医療の資格情報とそれぞれのレセプト情報、介護認定調査、要介護度判定、介護レセプト情報といった自体保有の情報を用いて初年度構築したデータベースと今年度測定したフレイルの情報をリンケージし、分析を進める。レセプトを用いてフレイルを判定する方法が報告されており、質問票で測定したフレイルのみでの検討が困難な場合は、これらの方法も組み合わせで検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 質問票調査を実施する予定であったが自治体の事業と重なったこと、自治体や共同研究者との打ち合わせがWebにて実施されたことにより、研究に用いる費用が抑えられた。 (使用計画) 収集したデータのデータ整備費用、および研究成果公表のために今年度の予算の一部を使用する予定である。
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