研究課題/領域番号 |
20K10550
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
徳江 浩之 群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (40612396)
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研究分担者 |
小湊 慶彦 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (30205512)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | オートプシー・イメージング / 死後心臓MRI / 心臓突然死 |
研究実績の概要 |
死後心臓MRI検査の方法を確立するため法医学医、放射線科医、放射線技師がお互い協力することによって、最適な検査方法を確立しつつある。 また死後心臓MRI検査を実施した症例に関して、死後心臓MRI検査の所見に加えて、死後冠動脈造影CT検査と病理組織学的検査の所見を、症例ごとに検討し、それらについてまとめて症例を蓄積中である。とくに心臓性突然死が疑われた症例については、心臓性突然死に関与する遺伝子パネル解析を次世代シークエンサーを用いて、血液からDNAを抽出し、実施しており、随時、解析中である。 本年度は1例、心筋症に基づく致死性不整脈が原因である症例を検討できた。死後心臓MRI検査によって、心筋の脂肪浸潤や線維化をMRIで特定でき、解剖所見とも対比ができた。さらに不整脈原性右室心筋症であることが遺伝子パネル解析(DSG2、TRPM4、KCNE5の異常)で確認できた。 ついで、過去の症例も検討し、死後心臓MRI検査によって、心筋の虚血部位や線維化を特定できた症例も検討できた。また、その所見に関して、死後心臓MRI検査、死後冠動脈造影CT検査や病理組織学的検査と対比することで、時相の異なる虚血部位の検出が可能であることが示唆された。 死後心臓MRI検査は、心臓性突然死関連の死因究明に有用な検査である可能性があり、さらに検討中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初は、年間20症例以上を予定していたが、現在のところ12症例にとどまった。原因として、心臓突然死と思われる症例が少ないことが一因である。しかしながら、それぞれの症例の肉眼的所見と死後MRI画像の検討は行えており、今後も症例を蓄積する。
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今後の研究の推進方策 |
ホルマリン固定後の心臓を用いての死後心臓MRI検査はこれまでにあまり検討されていないことから、今後も症例を経験し、所見を蓄積し、それらについて丁寧な解析が必要と考えられる。死後の心臓性突然死の診断に死後心臓MRI検査は有用であると考えられることから、今後もさらなる応用を検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ禍のため学会がwebとなり旅費が削減された。 また法医学講座の協力で人件費も削減された。
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