非アルコール性脂肪性肝炎、NASHの発症と病態進展は、急性心筋梗塞発症と相関することが分かっていたが血管内皮ミトコンドリア障害と急性心筋梗塞との関連は不明であった。私たちは、NASH進展に伴い、肝細胞内のミトコンドリア過剰分裂の誘導が起きることがわかったが、当初の仮説とは異なり内皮細胞内ミトコンドリアの挙動には大きな変化を見いだすことはできなかった。また、過剰なミトコンドリア分裂を阻害すれば、肝臓内炎症、線維化反応を抑制できることがわかった。これらの研究成果は増え続ける肥満関連疾患による健康障害を抑えるための新しい予防・治療戦略に繋がることが期待される。
|