本成果では、酢酸エチルなどの酸化物が混入している有機溶剤の使用で、N-oxideの生成することが判明した。モデル化合物として用いたオランザピンに限定されず、分子内に三級アミンを有するクロルフェニラミン、ゾテピンなどもN-oxideに変化することも確認され、適切な前処理法(抽出方法や抽出溶媒など)の選択が分析(定性・定量)結果に大きな影響、延いては誤った分析結果に結びつく恐れのあることが判明した。溶媒中の酸化剤(oxidants)の除去を試みるも完全なる除去は不可能であったことから、酸化防止剤の添加や酸化物を含まない溶剤を使用することで、これら前処理中の化学変化は回避することが可能となった。
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