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2022 年度 実績報告書

依存形成抑制メカニズムとしての内因性カンナビノイドシステムの可能性の検討

研究課題

研究課題/領域番号 20K10567
研究機関藤田医科大学

研究代表者

越智 拓  藤田医科大学, 医学部, 講師 (70527704)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2023-03-31
キーワード植物性カンナビノイド / CBD / 内因性カンナビノイド / グリオーマ / アポトーシス
研究実績の概要

本研究の過程において、グリオーマ細胞に対し、植物性カンナビノイド(CBD)ならびに内因性カンナビノイド(AEA)により顕著な細胞毒性が誘導される可能性が示唆された。そこで、最終年度においては、これまでに認められたCBDおよびAEAにより誘導される細胞毒性に寄与するメカニズムの詳細を明らかにするとともに、異なる動物種由来の培養細胞モデルを用いることで、カンナビノイドによる細胞毒性の蓋然性について検証することとした。
グリオーマのモデル細胞として、ラット由来C6細胞とヒト由来U87細胞を用い、CBD、2-AG、AEAで処理した。両細胞ともに2-AG処理では顕著な変化が認められなかったが、AEA処理では細胞生存率が急減するとともに細胞傷害率が急増し、CBD処理では細胞生存率は急減したが細胞傷害率は漸増した。これらの結果から、少なくともラットとヒトのグリオーマ細胞に対するカンナビノイドの作用機序には共通する機構が関与しているものと思われる。また、これらカンナビノイドに由来する細胞毒性に対するアポトーシス機構の関与について検討したところ、CBD処理の場合にのみcaspase3/7活性の上昇を認めたことから、CBD誘導性の細胞毒性にはアポトーシス機構が関与していると考えられる。
本研究では当初、内因性カンナビノイドシステムと脳内報酬系との関連性を明らかにすることを目的としていたが、研究過程において培養細胞モデルに対してカンナビノイドによる細胞毒性が見出された。生体内において、このようなカンナビノイドによる細胞毒性をグリオーマ細胞特異的に誘導することができるとすると、カンナビノイドの適用が難治性とされるグリオーマに対する効果的な治療法となる可能性が期待される。

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Endocannabinoid 2-AG inhibits the release of dopamine from PC12 cells2022

    • 著者名/発表者名
      Hiroshi Ochi, Yukari Hirata, Makoto Hamajima, Shuji Kozawa, Kazuo Igarashi, Ichiro Isobe
    • 雑誌名

      Medical Mass Spectrometry

      巻: 6 ページ: 27-35

    • DOI

      10.24508/mms.2022.06.001

    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] 植物性カンナビノイドおよび内因性カンナビノイドの培養グリオーマ細胞に対する細胞毒性の評価2022

    • 著者名/発表者名
      越智 拓、平田 ゆかり、濱島 誠、鈴木 里奈、小澤 周二、磯部 一郎
    • 学会等名
      第106次日本法医学会学術全国集会
  • [学会発表] 消火用二酸化炭素ガス放出による中毒死と考えられた1例2022

    • 著者名/発表者名
      濱島 誠、越智 拓、鈴木 里奈、小澤 周二、磯部 一郎
    • 学会等名
      第44次日本法医学会学術中部地方集会

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公開日: 2023-12-25  

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