今後の研究の推進方策 |
今後はまず検体を確保するところから始める.ホルマリン保定されていても次世代シークエンサーを用いれば,ゲノムの変異解析が可能であることから,過去の症例も含め,心臓突然死例の十分な検体数を確保することを最優先とする.ゲノム変異解析後,DNAメチル化解析,miRNA解析と進むわけであるが,心筋のメチル化解析は報告が非常に少ないため,まず,ホールエクソンに近い数のメチル化部位を測定し,心臓突然死群と対照群との比較を行い,ターゲットとすべきメチル化部位を特定する必要がある.そのためMethylationEPIC BeadChip Kit and iSCAN sytemで反応を行い,そのチップをiSCAN System,およびGenomeStudio software (以上全てillumina)を用いて解析を行う.このチップは85万ヶ所のメチル化部位の解析が可能であり,心臓突然死群と対照群とでメチル化率の増減を観察し,約20箇所程度のターゲットメチル化部を決定する.その後はターゲット部位のプライマーを設計,バイサルファイト処理後PCRを行い,Ion S5 System (Thermo Fisher Scientific)でデータを収集・解析を行う.miRNAはカテコラミン関連の12種(miRNA-1, miRNA-21, miRNA23a, miRNA-125a, miRNA-133b, miRNA-135b, miRNA-208, miRNA-210, miRNA-514, miRNA-548b, miRNA-562, miRNA-624)をターゲットとする予定である.心筋からsmall RNAをキットで抽出し,それぞれのmiRNA専用のプライマーを用いて増幅する.その後,S5にてシークエンスを行い,miRNA analysis Plug-in softwareにて解析を行う.
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