研究課題/領域番号 |
20K10571
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
神田 芳郎 久留米大学, 医学部, 教授 (90231307)
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研究分担者 |
副島 美貴子 久留米大学, 医学部, 准教授 (80279140)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ハプトグロビン / コレステロール / 肥満 / 関連解析 / 蛍光融解曲線解析 |
研究実績の概要 |
ハプトグロビン(HP)HPに加え、隣接するHPR(HP関連遺伝子)の遺伝子多型は血中HP濃度のみならず血中コレステロール濃度と関連しており、この関連に肥満あるいは過体重が影響すること他集団の解析により示唆されたことから、日本人集団を対象とした本研究によりコレステロール代謝におけるHPの役割、肥満や過体重の影響を明らかにしたい。今年度は、多数検体(384プレートに配置されたDNA)に適し、かつ微量検体を対象とした研究に有効な方法の開発をすすめた。なお、昨年度デザインしたprobe-based fluorescence-melting-curve-analysis(プローブを利用した蛍光融解曲線解析)によるHPRに存在するrs2000999の遺伝子型判定法の有効性は遺伝子型が分かっている検体を用いた検討により確認している。この方法をベースに、rs2000999と同様血中HP濃度とコレステロール濃度の両方に強く影響し、東アジアと東南アジア諸国に分布するHP完全欠失アレル(HPdel)の接合性とrs2000999の遺伝子型判定を1度の反応で判定する方法を設計し妥当性を検証した。既に他の方法でHPdelとrs2000999の遺伝子型を決定している日本人サンプルの遺伝子型は、以前決定したものと完全に一致した。また2度実施した解析の結果が同一で、方法の再現性も確認された。1回の反応で融解曲線解析とエンドポイント法の両法を利用した遺伝子型判定の報告は現在までにないが、今回の実験系では可能であり、大規模な関連解析に有効な方法を開発することが出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
使用可能なDNA量がわずかであること、前年度開発したrs2000999の遺伝子型判定法の精度が高いことから、可能であれば1度に2多型の判定を行えないかと考え、この方法をベースに、HPdelとの同時判定法を思い立ち開発に時間を要した結果、研究の遅延をきたした。さらに、他の業務による時間的制約によりエフォートの低下をきたした。
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今後の研究の推進方策 |
2多型の同時解析が可能になったことから、2度の解析によるデータの信頼性を向上することが出来るようになった。最終年度では、HP遺伝子多型解析とHP濃度測定を同時並行しておこなっていくものとする。
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次年度使用額が生じた理由 |
前述の通り、実サンプルの解析に先立ち解析法の開発をおこなったことにより計画が遅延し研究期間の延長を申請した。最終年度となるが、実サンプルの解析と関連解析をおこなう予定である。
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