研究課題/領域番号 |
20K10572
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
吉田 祐子 北海道大学, 保健科学研究院, 助教 (10646805)
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研究分担者 |
井瀧 千恵子 弘前大学, 保健学研究科, 教授 (00285008)
菊地 実 北海道大学, 保健科学研究院, 客員研究員 (70642411)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 注射 / インスリン / 看護師 / 教育ツール |
研究実績の概要 |
世界的に糖尿病患者は増加しており、インスリン注射技術に精通していない糖尿病非専門看護師がインスリン注射技術の指導・観察をする機会が増えている。また、インスリン注射技術のベストプラクティスは日々変化している。先天的にインスリンを生成する機能がない1型糖尿病患者やインスリンの投与により良好な血糖コントロールを目指す2型糖尿病患者にとって、日常的なインスリン注射は、不可欠である。適切なインスリン注射技術の実施は、患者の安定した血糖コントロールの確立につながる。科学的根拠に基づいた注射技術の周知のために、これまで数多くのパンフレットや説明書等作成されているが、インスリン注射技術の未熟さに起因した患者の血糖コントロールの不良や皮膚障害などの報告は絶えない。 看護師は、専門職として、国家資格取得後も幅広い診療領域の知識と技術について自己学習を進めているものの、インスリン自己注射の指導に伴う知識・技術についての教育ツールは確立されておらず、学びなおす機会もないため、看護師基礎看護学教育レベルにとどまっている者が多い。加えて、日本における看護師基礎教育において、インスリン注射技術は、皮下注射の技術の一つとして指導されるが、基礎教育用の書籍では、インスリン注射技術に触れているものは少なく、学ぶ機会は十分とは言えない。このような背景があるため、インスリン注射技術に精通していない糖尿病非専門看護師は、インスリン注射技術やこれに関連した皮膚合併症に関連する知識が十分ではないまま患者と関わっている。 初年度は、文献検討とこの課題に関する実態を把握するための実態調査の準備を行っていた。現在、研究者間で話し合いを行い質問紙の素案を作成中である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症に伴い調査対象者(臨床看護師)への接触の難しさと研究者間の話し合いの場を設けることが困難となり研究進行の予定が狂った。2021年度も時間はかかるが調査対象者の負担が無いように進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
遠隔テレビ会議のツールを活用する等して、研究者間の話し合いの場を定例とし、日常業務で流されないようにする。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナ感染症の流行により、研究計画の進行が滞ってしまったため。当初の予定より研究進行速度は遅くなってしまったが、進行はしているため、2年目、3年目にかけて執行していけると考えている。
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