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2020 年度 実施状況報告書

飲水による即時的・持続的血圧上昇を活用した起立性低血圧予防法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 20K10585
研究機関国際医療福祉大学

研究代表者

窪田 聡  国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 准教授 (90433614)

研究分担者 遠藤 豊  国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 教授 (90194050)
宮崎 裕子  国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 講師 (10827801)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード冷水 / 冷炭酸水 / 飲水 / 昇圧 / 核心温
研究実績の概要

過去の我々の研究で,健常若年者と高齢者が冷水・冷炭酸水を飲水した場合,飲水後も昇圧は持続することが示唆された.これまで多くの研究で健常若年者で,昇圧が持続したとする報告はみれらなかったため,本研究ではこの要因を検討することとした.我々は,冷水の飲水によって,核心温の低下が誘導され,そのことが昇圧に影響を及ぼしたと考えた.
健常若年者12名を対象に,常温水(約28℃),冷水(約4℃),冷炭酸水(約4℃)の飲水後の核心温を20分間測定した.飲水量は各200mLであり,1分間で飲水した.核心温の測定には,ニプロ社製の非侵襲型の鼓膜温測定用センサCEサーモを用いた.
その結果,飲水後10分,20分共に,常温水を含むすべての水で核心温が低下した.冷水・冷炭酸水では,平均で0.2℃程度の低下で,常温水はその半分以下の低下であった.さらに,冷水と冷炭酸水は常温水よりも核心温の低下が大きかった.この結果は我々が以前に行った健常高齢者の飲水実験の結果と一致した結果であった.Frankらは,生理食塩水の静脈への投与で核心温を低下させた際,血漿ノルアドレナリンが増加し,血圧が上昇することを示している (Frank et al., 1997).本研究では飲水に伴い核心温が低下したことで,昇圧が持続したことが考えられる.しかし,常温水においても核心温の低下が観察されたが,我々の以前の研究では,常温水で昇圧は観られなかった.これは核心温の低下が小さかったため,昇圧に至らなかったことが要因と考える.また,核心温の低下は非常に小さく,身体に悪影響を及ぼすものでは無いと考える.さらに少ない飲水量であっても,核心温を同程度に低下させることが可能であれば,昇圧の持続は可能と考える.今後は,さらに少ない飲水量で検討していく必要があると考える.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

2020年度は,新型コロナウィルスの感染拡大の影響があり,実験の遂行に大きな支障が生じた.緊急事態宣言時は,実験の実施が不可能となった.さらに宣言解除後の被験者のリクルートも,学内への入校制限と重なり進捗に狂いが生じた.実験実施にあたっても,実験室への入室人数の制限が生じ,換気に伴う室温等の実験環境の統制にも大きな制約が生じた.

今後の研究の推進方策

2021年度も引き続き感染拡大の影響があり,実験の遂行の障壁となることが予測される.そのため,プレ実験による実験条件の整理を徹底し,本実験時の実験時間の短縮,被験者負担の軽減に努めることとする.また,高齢者を対象とした実験の遂行は,今年度も引き続き実施しない.健常若年者のみを対象とし,学内の学生に対しリクルートを行っていく.

次年度使用額が生じた理由

2020年度は新型コロナウィルス感染の拡大に伴い,実験の遂行に大幅な遅れが生じた.そのため,実験時の消耗品の購入量が大幅に少なくなった.2021年度も,感染リスクを考慮しながらの研究遂行となるため,十分な実験を行うことは困難ではあるが,実験は実施していく.そのため,2020年度の余剰分で,心電図の電極,鼓膜温センサのプロープ,実験用着衣等を購入していく予定である.また,2020年度に実施した実験内容を含んだ研究内容について,論文として投稿準備を進めている.この論文の英文校正費用としても活用していく予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2020

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] 冷水飲水時の高齢者の昇圧反応2020

    • 著者名/発表者名
      窪田 聡
    • 学会等名
      第41回バイオメカニズム学術講演会
  • [学会発表] 高齢者における冷水飲水が即時的血圧上昇に及ぼす影響2020

    • 著者名/発表者名
      窪田 聡
    • 学会等名
      第10回国際医療福祉大学学会学術大会

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公開日: 2021-12-27  

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