研究課題/領域番号 |
20K10587
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
高桑 優子 順天堂大学, 保健看護学部, 先任准教授 (40738241)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | キャリアトランジション / 中期キャリア看護師 / 介入プログラム / トランジション状況尺度 |
研究実績の概要 |
本研究では2020年度までの研究課題をさらに発展させ、Meleisのトランジション理論の理論枠組みを用いて解明し、開発した中期キャリア看護師のトランジション状況自己評価尺度(TCSAS)の活用可能性を高めるために、中期キャリア看護師のトランジション状況介入プログラムを作成することを目的とする。 2022年度は国内外のトランジション及び介入プログラム研究の精読と情報収集を行うように研究を進めた。 第32回日本看護学教育学会においてキャリア支援のプログラム構築のためキャリア支援をする中で、対象者の「効力期待」と、「結果期待」を生み出すような支援方法を考えていくことがポイントとなるとの示唆を得た。第26回日本看護管理学会では中期キャリア看護師の時期を含む看獲管理者のキ ャリア発達について対象者の自発的 意思と「動機付け」「意味づけ」が重要であることが語られ、セカンドキャリア(定年後のキャリア)が中期キャリア期の延長上にあるキャリア形成という視点を新たに見出すことができた。第42回日本看護科学学会では、ライフイベントや中堅看護師としての役割負担による困難、キャリア中期看護師のキャリアコミットメントの関連から、これらキャリアの研究を踏まえ看護師の潜在化を防止する介入の方法について検討できた。第26回EAFONSでは、中期キャリアにおけるキャリアの停滞にどのように対処すべきか検討をしている点において、自身の研究に通じ、新たな視点でプログラムを構築し、介入に関する本 研究の一つの示唆を得たと考える。KH Coderを用いた計量テキスト分析(テキストマイニング)実践セミナーを受講し中期キャリア看護師の質的研究方法の一つとして内容分析や計量分析を行う上で研究のブラッシュアップが図れた。 以上の情報収集から2023年度に介入研究の実践に向けて倫理審査の申請書を作成し提出予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2022年度はコロナ感染症にり患した学生が多く、学内対応に追われた年であった。特に実習指導対応や授業対応での仕事量の増加による研究活動の制限や遅延のため研究時間が十分に取れなかった。研究者自身もコロナに感染し、唯一研究が実施できる夏季はコロナ感染と後遺症による体調不良のため研究計画が遂行できなかった。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は中期キャリア看護師のトランジション状況介入プログラムの実施に取り組む。 令和5年倫理委員会審査後~令和4年12月:50歳代の看護師 20 名程度の研究対象者にTCSAS項目のインタビューガイドを作成し、進捗指標の中でも「キャリア目標の明確さ」「自己肯定感」「看護スキルの習得状況」「仕事の継続意思」といった自ら選択的にトランジションを促進した経験の半構造的面接を実施。 令和5年8月:日本看護科学学会に論文投稿し、研究の基盤とする。そのための論文「Meleisの移行理論を枠組みにした中期キャリア看護師のトランジション状況自己評価尺度の開発」の投稿を行う。 令和6年1月~3月:面接結果から帰納的アプローチで質的記述的に分析。結果より介入プログラム案を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実習のため海外渡航に制限があり、海外学会の費用がWebでの参加となり支出が少なかった。また50歳代看護師に対するインタビュー調査が研究の遅延のため2022年度に実施できなかった。ゆえにインタビューの費用が未使用となった。さらに介入プログラム評価として行う質問紙調査の実施が遅延し、未使用となっている。2023年度はインタビュー調査を行い、結果を得て、介入プログラム案が作成できるように計画をする。
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