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2022 年度 実施状況報告書

新たにエコーを導入した基礎看護技術演習の学習効果

研究課題

研究課題/領域番号 20K10590
研究機関日本赤十字豊田看護大学

研究代表者

巻野 雄介  日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 准教授 (10635410)

研究分担者 山田 聡子  日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 教授 (80285238)
中島 佳緒里  日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 准教授 (90251074)
竹内 貴子  日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 講師 (70387918)
加藤 広美  日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 助教 (30744726)
高下 翔  日本赤十字豊田看護大学, 看護学部, 助手 (50869831)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワード人体の構造・機能 / 学習過程 / 基礎看護技術 / フィジカルアセスメント / エコー
研究実績の概要

看護学生が人体の構造と機能に関する知識を看護に活用する過程においてどのような経験をしているのかを明らかにすることを目的に、A看護系大学に在学している3年生9名を対象にグループインタビューを実施した。グループごとに作成した逐語録から元ラベルを作成し質的統合法(KJ法)で分析を行った。
基礎看護技術ならびにフィジカルアセスメントの演習に超音波画像診断装置(エコー)を導入し、その教育効果を検証した。対象者はA看護系大学2年生全員とした。エコーは富士フィルム社iViz airを用いた。
採血の看護技術演習では、特定の学生の肘関節内側の静脈を視診や触診で観察させた後、エコーで静脈血管の横断面を描出し学生に画像を閲覧させ、演習終了直後に受講学生全員にアンケートを実施し、エコーでのわかりやすさをたずねた。その結果、エコーを用いた方がとてもわかりやすかったとの回答が大部分であった。
フィジカルアセスメントの演習では、エコーでの足背動脈・膝窩動脈の観察と膀胱の観察・膀胱内尿量測定を実施し、演習終了後にアンケートを実施した。動脈の観察については触診とエコーでそれぞれ観察できたかどうか、触診とエコーのどちらが観察しやすいかをたずねた。膀胱の観察については、エコーで膀胱の観察と尿量測定が実施できたかをたずねた。また演習を通して動脈や膀胱の理解が深まったかどうかの回答を求めた。その結果、動脈を観察できたと回答した者は、膝窩動脈において触診は62.8%、エコーは71.3%、足背動脈において、観察のしやすさはエコーを選択した者が最も多かったが、足背動脈では触診を選択した者との差は僅かであった。エコーによる膀胱の観察と尿量測定は半数以上ができたと回答した。本演習を通した動脈や膀胱に対する理解については、どちらも95.6%が深まったと回答した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初は、対象者をボランティアとする予定であったが、教育効果について対象者間で比較することが困難であることから、正規の授業時間にエコーを導入し、その効果について検証することとした。当初の計画通り令和4年度に、新たにエコーを導入した演習を実施することができ、受講者全員を対象としたアンケートにより評価を行うことができた。①学習目的に沿ったものであったか、②各技術の習得やそれに付随する知識において効果的な演習であったか、③形態機能学的知識に関する興味・関心に変化があったかの視点で評価を行い、今後に継続するかどうかを検証することができた。

今後の研究の推進方策

成果を学会等で発表するとともに、令和4年度に引き続いて、エコーを導入した演習の実施と評価を行うこととする。基礎看護技術においては、エコーは表在血管の観察に優れており、初学者でも画像から身体の状態を読むことが比較的簡単であることから、引き続き、採血の演習に取り入れていく。フィジカルアセスメントにおいては、足背動脈はリニア型エコープローブを用いても、その血管の特性から観察が難しいという側面があった。膝窩動脈は触診は難しいがエコーでの観察は比較的容易であるため、将来のエコーを用いたフィジカルイグザミネーションの好例として引き続き実施する。その他の観察部位として観察が容易で血流評価でもよく用いられる頸動脈の観察を検討する。

次年度使用額が生じた理由

学会発表が未実施であること、謝金の使途や消耗品目が変更となったことで次年度使用額が生じている。引き続き演習の実施や学会発表等により使用していく計画である。

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公開日: 2023-12-25  

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