研究課題/領域番号 |
20K10596
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研究機関 | 関西国際大学 |
研究代表者 |
岩下 真由美 関西国際大学, 保健医療学部, 講師 (40705498)
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研究分担者 |
合田 友美 千里金蘭大学, 看護学部, 教授 (20342298)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 発達障害 / 看護学生 / 臨地実習 / 支援 |
研究実績の概要 |
2016年4月障害者差別解消法が施行された(文部科学省,2017)。これにより、障害を理由とする不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供が、法的に義務ないし努力義務とされ、大学・短期大学・高等専門学校においても一定の取組が求められることとなった(文部科学省,2017)。このような中、看護基礎教育においても発達障害またはその可能性のある学生が増加している(池松ら2012;山下ら2016)。特に看護学臨地実習は学習形態が複雑である。それゆえ、困難事例が多い。しかし、臨地実習におけるそれらの学生への具体的な支援方法については明らかにされていない。 本研究の目的は、発達障害及びその疑いのある看護学生に対する臨地実習での支援方法を明らかにし、「発達障害及びその疑いがある看護学生の臨地実習支援ガイドブック」の開発に取り組むことである。本研究で開発するガイドブックは、実習指導教員が実習指導を支援する具体的なツールであることから、発達障害及びその疑いのある看護学生に対する指導の成功可能性が高まる。特に実習指導の実践知が少ない実習指導教員の発展を促進できる。これにより、看護学生の効果的な実習指導の在り方の示唆を得ることができる。 まず初めに関連文献を取り寄せ、文献レビューを行いその成果を看護・保健科学研究誌で発表した。次に国内の看護系大学協議会(JANPU)会員校287校の学科長宛に依頼書を郵送し、研究対象者に依頼書を配布していただき、研究対象者の自由意志のもと2021年1月~3月31日の間にwebを用いた質問紙調査を行った。その結果を分析し、2021年12月に日本看護科学学会学術集会で発表した。さらに同意が得られた約40名の方にインタビューを行い逐語録を作成した。今後は質的帰納的に分析していき、ガイドブックを作成する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2020年度は、関連文献を取り寄せ、文献レビューを行いその成果を看護・保健科学研究誌で発表した。次に国内の看護系大学協議会(JANPU)会員校287校の学科長宛に依頼書を郵送し、研究対象者に依頼書を配布していただき、研究対象者の自由意志のもと2021年1月~3月31日の間にwebを用いた質問紙調査を行った。 2021年度は、質問紙調査結果を分析し、12月に日本看護科学学会学術集会で発表した。さらに同意が得られた約40名の方にインタビューを行い逐語録を作成した。
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今後の研究の推進方策 |
2022年度は、約40名の逐語録を質的帰納的に分析し分析した結果を関連学会で発表する予定である。また逐語録の内容を類似性のある出来事ごとに分類し、事例に基づいたガイドブックを作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大防止のため国外での研修会を中止としたことから、交通費や宿泊費が不必要となった。また調査においては、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、zoomにてインタビューを行ったことから、陸路や航路の交通費や宿泊費が不必要となった。さらに関連学術集会への参加をしたが、こちらも新型コロナウイルス感染拡大防止のためオンライン開催となり、交通費や宿泊費等が不必要となった。 今後は逐語録の分析、関連学会誌への投稿、ガイドブックの作成・印刷などを行う上での経費が必要となる。また新型コロナウイルス感染が収束した場合、英国または米国での当該研究状況についても実際に渡航し確認したい。
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