研究課題/領域番号 |
20K10600
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研究機関 | 秋田大学 |
研究代表者 |
菊地 由紀子 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (40331285)
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研究分担者 |
佐々木 真紀子 秋田大学, 医学系研究科, 教授 (40289765)
長谷部 真木子 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (60241676)
工藤 由紀子 秋田大学, 医学系研究科, 准教授 (20323157)
杉山 令子 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (80312718)
武藤 諒介 秋田大学, 医学系研究科, 助教 (60847234)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 訪問看護師 / 業務上の危険 |
研究実績の概要 |
質の高い看護を提供するためには、看護師自身の心身の健康を保持する必要がある。一方、看護の現場には看護師の健康を脅かす恐れのある危険が存在する。訪問看護においては利用者の暮らしの場へ単独訪問して行われる場合が多く、家庭にある用具を用いた援助、限られた防護具での処置、起き抜けでの夜間運転による緊急訪問など、環境の特殊性、物的・人的資源、勤務形態の違い等により、訪問看護に特化した業務上の危険が存在し、訪問看護師の健康リスクにつながっていることが推察される。本研究では、訪問看護師に起こりうる業務上の危険の実態を明らかにし、望ましい組織および個人の対策に関するマニュアル案を作成することを目的とする。 2021年度は「訪問看護師の業務上の危険」の実態を把握するための全国調査を実施した。文献検討および研究分担者との意見交換により「訪問看護師の業務上の危険」を『感染』『アレルギー発症』『有害薬剤へのばく露』『腰痛・けが』『暴力・ハラスメント』『交通事故』に分類した。調査項目の内容や表現の適切性については、訪問看護の経験豊富な実践者(管理者)のスーパーバイズを受け、ステーションにおける危険な事象の発生状況や予防・対策の現状等を調査した。 全国1919か所の訪問看護ステーションの管理者を対象に郵送質問紙調査を実施し、355人から有効回答を得た(有効回答率19%)。現在、結果を分析中である。結果の一部(コロナ禍において訪問看護ステーションの管理者が講じている対応策と今後の課題)については、日本看護研究学会第48回学術集会で発表予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2020年度は新型コロナ感染症拡大に伴い、研究時間の確保が困難だったことおよび、研究対象者であるステーション管理者が非常に多忙な業務に追われている状況を考慮して、全国調査の実施を延期していた。2021年度もコロナ禍にはあったが、第6波到来直前の時期に「訪問看護師の業務上の危険」の実態を把握するための全国調査を実施した。進捗状況としては、当初の予定よりも遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
1.全国調査の結果を報告する 結果の一部(コロナ禍において訪問看護ステーションの管理者が講じている対応策と今後の課題)については、日本看護研究学会第48回学術集会で発表予定である。今後は、他の結果についてもまとめ、学会発表および論文発表にて報告したい。 2.訪問看護師の業務上の危険対策マニュアル案を検討する 全国調査の結果をもとに、訪問看護に望ましい組織および個人の対策に関するマニュアル案を検討する。 当初の計画よりも遅れていることや依然コロナ禍にあることを鑑み、研究期間を1年延長することを検討したい。
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次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画よりも遅れているために、次年度使用額が生じていると考える。 今後は、調査結果の発表に伴う費用および、訪問看護師の業務上の危険対策マニュアル案の作成や、臨床での使用可能性に関する調査の費用として使用予定である。
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