看護学生のやり抜く力と、新人看護師の離職との関連

2021 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 20K10601
• 研究機関: 浜松医科大学
• 研究代表者: 日吉 恭則 浜松医科大学, 医学部, 助教 (50784576)
• 研究分担者: 篠原 亮次 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任教授 (00633116)
• 研究期間 (年度): 2020-04-01 – 2024-03-31
• キーワード: 離職 / 新人看護師 / やり抜く力 / 看護学生 / Grit

研究実績の概要

本研究は、標準的な地方都市で学んだ看護学生のやり抜く力（Grit）が,入職後1 年の新人看護師の職業の継続にどのように関連しているのかを明らかにすることを目的としている。
看護師養成学校の最終学年にある学生へのアンケート調査と入職後約1年経過後に再度アンケート調査を行い、アンケート結果を紐づけて解析する予定である。
アンケート対象は看護師養成学校の最終学年としており、静岡県内の約1200名を予定しているが、一昨年から続く新型コロナウイルス感染症の影響により、学生への対面での研究説明や研究参加が難しいことが継続している。
予定していた、対面での研究説明やアンケート用紙を用いたアンケート調査ではなく、Web説明会のようなWeb上での説明会やいつでも見られる説明動画の準備、Webでのアンケート調査へとすることで、接触のリスクを下げた取り組みを行う必要がある。特に学生という立場から看護師という立場へ変更があるため、継続して研究参加者と連絡が取れる体制が必要であるが、現状ではその体制が取られておらず、研究参加と連絡が取れなくなるリスクがある。
特に、退職というネガティブなライフイベントを研究対象者から聞き出す困難さがあり、研究参加者の情報を本人以外から得られるような体制を構築する必要がある。今後、病院、看護協会、養成機関、同窓会などと、連携をとる必要がある。
再度研究計画書を作成し、研究倫理審査へ申請の準備中である。

現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

引き続き新型コロナウイルス感染症の影響により、タイムリーなタイミングでアンケート対象としている大学、専門学校との連携を取ることが難しかった。
一時的に看護養成機関への出入り、学生への対面での説明等、接触するが緩和されたが、継続して研究活動することが難しく、また対面での研究説明や紙媒体でのアンケート調査を予定していたため、Webアンケートや説明動画の作成などへの切り替えが困難であり、結果として最終学年の学生へのアンケート調査が困難であった。

今後の研究の推進方策

状況が許せば、対面での研究の説明や同意書の取得を行い、アンケート調査を行う。平行してWeb上での研究参加についての説明やWebアンケート調査として、非接触という形で、研究説明が行え、かつアンケート調査が行えるシステムを構築し、アンケート対象の確保に取り組む。アンケート調査時に連絡が取れるような仕組みをWeb 上で実現できるようシステム構築をしていく。
アウトカムが新人看護師の離職の有無なので、就職後、現状では病院に直接出向くことは難しい。また研究対象者については離職が必ずしもポジティブなライフイベントではため、離職の情報をどのように収集するか、他機関、例えば、看護協会や病院、出身学校等と連携して情報が得られるよう研究協力を依頼していく。

次年度使用額が生じた理由

当初計画していた学会の参加や、やり抜く力（Grit）についての研究者を訪ねることでの情報収集等も経費として計上していた。可能であれば、学会の参加や研究者からお話を伺う機会を得たい。
予定していた対面での研究説明や紙媒体でのアンケート調査だけでなく、Webでの研究説明やWeb上でのアンケート調査を行うためのシステムの構築やホームページの作成、動画撮影、編集などを行う必要がある。また対面で研究参加者を募集する際の経費も必要であり、経費を持ち越し使用する予定である。