研究課題/領域番号 |
20K10611
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研究機関 | 高崎健康福祉大学 |
研究代表者 |
桐山 勝枝 高崎健康福祉大学, 保健医療学部, 講師 (70412989)
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研究分担者 |
岡 美智代 群馬大学, 大学院保健学研究科, 教授 (10312729)
吉江 由美子 日本医療科学大学, 保健医療学部, 講師 (60734142)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | ヒーリング / 看護ケア / 癒し / リラクセーション / ヒーリングタッチ |
研究実績の概要 |
ヒーリングタッチはアメリカ国立衛生研究所(NIH)の分類において、バイオフィールドセラピーの看護介入法として認められている。施術を受ける者だけでなく、施術者自身もエネルギーが整い癒されるとされている。本研究は、病に苦悩する患者と看護業務で疲弊する看護師に、心身のリラクセーション効果や苦痛緩和に効果があるとされているヒーリングタッチを臨床に導入するための基礎的研究である。ヒーリングタッチによる効果の根拠を明らかにするために、ヒーリングタッチにおける「施術者」と「受け手」に起こる心身の体験および両者の相互作用を質的に明らかにする。 ヒーリングタッチは施術者と受け手が密接する技術であるため、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受け研究が遅れた。研究介入が出来ない期間は、Zoom等で施術者と入念な打ち合わせを行い研究倫理審査を受けた。 また、ヒーリングタッチにおけるプラセボの影響の考察を深めるためにランダム化比較試験に関する外国論文を精読した。検索結果は53件であり、精読した結果対象となる文献は2件であった。1件は周手術期の小児への苦痛緩和に対するヒーリングタッチの研究で効果の有意差はみられなかった。1件は放射線療法中の乳がん患者の疲労に関する研究で、ヒーリングタッチを受けた群が疲労が増したという結果であった。原因はランダム化にも関わらずヒーリングタッチ群に就労女性が偏ってしまったためであった。この文献研究は「ヒーリングタッチにおけるプラセボ研究の文献レビュー」として学会で発表した。 令和4年度からデータ収集を開始し、ヒーリングタッチを受けた日以降の様子も確認した。その結果、慢性頭痛の軽減や睡眠の質の向上等好転的な効果が確認された。国内のヒーリングタッチの研究では、ヒーリングタッチの施術後を追った研究は報告されていないため、今後外国の文献を確認し考察を深めていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けたため2年間はデータ収集を開始することができなかった。その間、ヒーリングタッチの普及活動として看護専門紙への執筆やヒーリングタッチ研修会を開催し施術者数を増やすことやスキルアップに努めた。研修会後は月に一度の練習会を継続している。 令和4年度はZoom会議で施術者と綿密な打ち合わせを行い研究倫理審査を受けた。感染拡大による対策が緩和されてきたため、厳重な感染管理のもとデータ収集を開始することができた。収集は1年で完了予定であったが、新型コロナウイルス関連による施術者と受け手の急なキャンセルが続き予定の50例を満たすことができなかったため、研究期間の延長申請を行うこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、ヒーリングタッチのデータ収集を月に一度2日間連続で一人の施術者が1日2~3名施術していた。しかし、施術者が皆遠方から通っていたため疲労がみられるようになった。そのため、令和5年度は一人の施術回数を1日2名までに減らして行う予定である。また、施術者の交通移動時間による疲労にも配慮し、実施場所を研究者の所属大学で行うことは中止し、施術者の自宅サロンに研究者が出向きデータ収集を行うことに変更し、施術者の負担の軽減を図ることとする。 令和5年度は前半時期までにデータ収集を完了しデータの分析を行う。また、学会発表と論文作成を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染拡大によりデータ収集が遅れた。そのため研究期間を1年延長することとなった。未使用額は、データ収集、データ分析、学会発表、論文作成費等に使用する計画である。
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