研究課題/領域番号 |
20K10618
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研究機関 | 名古屋女子大学 |
研究代表者 |
新實 夕香理 名古屋女子大学, 健康科学部, 教授 (20319156)
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研究分担者 |
太田 勝正 東都大学, 沼津ヒューマンケア学部, 教授 (60194156)
池上 千賀子 (曽根千賀子) 長野県看護大学, 看護学部, 講師 (40336623)
大竹 恵理子 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, その他部局等, 国立看護大学校 老年看護学 准教授 (10423849)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 情報プライバシー / 地域医療連携 / 情報共有 / 地域医療情報連携ネットワーク |
研究実績の概要 |
本年度は10月末まで、地域中核病院から提供される患者情報の受け手からみた共有の実態を明らかにするために、インタビューガイドに基づく半構造化インタビューを実施した。在宅医療・介護にかかわる医療従事者(医師、訪問看護師、ケアマネージャーなど)を対象とし、全国7県の医療施設に勤める27名にインタビューを行った。医師・歯科医師13名のインタビューから、地域医療情報連携ネットワークに登録している診療所は5施設であり、登録しない理由として、必要性を感じていない、患者への説明が煩雑であることなどが示された。また、電子カルテシステム未導入の診療所が2施設あった。地域中核病院から紹介・逆紹介される患者の情報は、診療情報提供書を患者持参、FAX受信、医師会からの郵送などの形で受け取っており、施設間の患者情報の共有に関して患者から問われた経験をもつ医師はいなかった。患者や家族の意向によって患者情報の共有範囲や相手に制限が出された場合、多くの医師は患者の意思を尊重したいと語った。患者の個人情報の取り扱いについて、在宅医療ではがん告知にかかわる情報共有に気を配る必要があった。地域医療連携の要としてケアマネージャーを挙げ、その人の考え次第で共有される情報やその範囲が異なることが語られた。 地域医療情報連携ネットワークは病病連携で普及してきている一方、地域中核病院から診療所への逆紹介における病診連携では医療機関等の間で診療上必要な医療情報(患者の基本情報、処方データ、検査データ、画像データ等)を電子的に共有・閲覧できなくても、診療情報提供書などの収受によって診療できている現状がある。そのため、診療所の医師はネットワーク導入に積極的ではないことが考えられた。 その他、研究成果の一部を第43回日本看護科学学会学術集会(山口市)において口述発表を行い、本研究を進める上で有用な意見を得ることができた。
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