研究課題/領域番号 |
20K10619
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研究機関 | 鈴鹿医療科学大学 |
研究代表者 |
大津 廣子 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 教授 (70269637)
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研究分担者 |
林 暁子 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 助教 (90741257)
永田 佳子 鈴鹿医療科学大学, 看護学部, 助教 (20867402)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 看護技術の指導 / オノマトペ |
研究実績の概要 |
今年度は、看護教員が看護技術を指導する時に使用しているオノマトペの実態を明らかにすることを目的に実施した。【方法】全国の看護系大学及び看護専門学校より無作為に抽出した1434名の教員を対象に自記式質問紙を用いた調査を行った。質問内容は、診療援助技術、生活援助技術の中から抽出したそれぞれ30項目の動作に対して、学生がどのように実施すればよいかについて具体的なイメージを想起させるオノマトペを回答するものとした。オノマトペの抽出には、SPSS Text Analytics for Surveys Ver.4を用いた。【結果】有効回答数332部(回収率23.2%)。回答者の看護技術の講義の担当期間は、5~10年未満25.3%、1~5年未満24.7%、10~15年未満22.3%、15~20年未満9.6%であった。看護技術の指導にオノマトペを使用したことがある者は78.9%であった。 診療援助技術の指導に用いているオノマトペは、281語であり総数4953であった。多く用いられていたオノマトペは、すばやく、静かにものごとを行うさまを表す「すっ(すーっ)」が15.9%と最も多く、注意深く動いたり扱ったりするさまを表す「そっ(そーっ)」が14.1%であった。生活援助技術の指導に用いているオノマトペは、258語であり総数5590であった。多く用いられていたオノマトペは注意深く動いたり扱ったりするさまを表す「そっ(そーっ)」が16%と最も多く、ついで物事が隙間なく完全にくっつくさまを表す「ぴったり(ぴたっ)」が13%であった。 【考察】診療援助技術、生活援助技術の指導の際に多くの教員が使用しているオノマトペは「そっ(そーっ)」、「すっ(すーっ)」「ぴったり(ぴたっ)」が多くみられたことから、患者の安楽性や安全性、正確性を重視した動作がイメージできるように技術指導していると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
コロナ禍の中、調査の開始が遅れたものの、看護教員を対象に質問紙調査を計画どおりに実施することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、本年度の調査から得られた結果をもとに、学生を対象にしてオノマトペに対するイメージ調査を実施する。看護教員が使用しているオノマトペに対する学生のイメージを分析し、最終的には看護技術指導に活かすナーシングスキルオノマトぺデータベースの構築を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度の質問紙調査にかかる費用として、質問紙の発送や収集したデータの集計を研究補助者に依頼する計画で人件費を要求していたが、コロナ禍の中、感染予防のために研究補助者を雇用できなかった。そのために次年度使用額が生じた。 次年度の学生に対する調査は、インターネットを使用した調査を実施するために、翌年分として請求した助成金と合わせて次年度使用額は使用する計画である。
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