研究課題/領域番号 |
20K10622
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
太田 祐子 関西医科大学, 看護学部, 准教授 (70349778)
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研究分担者 |
山口 みのり 静岡県立大学, 看護学部, 准教授 (00369480)
安酸 史子 関西医科大学, 看護学部, 教授 (10254559)
上山 千恵子 関西医科大学, 看護学部, 助教 (90751587)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | リフレクション / キャリア中期 / 看護職 / ピアグループ / 対話 / キャリア / 語り / ナラティブ |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、キャリア中期看護職における対話的リフレクションを志向した語りの会を開催し、そこで展開されるプロセスの詳細を記述し、看護職の成長に関連する対話的リフレクションがどのように発現し展開されるのか検討することである。 2020年度は、当該領域の国内外の研究動向や最新の知見の獲得・検討とともに、キャリア中期看護職の対話的リフレクションを意図した語りの会の運営を企画・開始することを計画していた。当該領域の国内外の研究動向や最新の知見の獲得・検討については、各研究者が個別に情報の収集に当たってきた。その一部では、看護におけるリフレクションを対話的に捉えた研究がみられるようになってきており、対話は二者間でのものとグループでの報告があったがいずれも少数の報告であった。グループへの参加経験をインタビューデータから分析した研究がいくつか見られたが、それらは参加者の経験を掘り下げる深い語りに基づくものではなく、リフレクションの経験がどのように進行するか明らかにした研究も見当たらなかった。ただし、これらは研究者間での十分な検討には至っておらず、次年度以降、引き続き検討する。 また2020年度はキャリア中期看護職の対話的リフレクションを意図した語りの会の運営を企画・開始する計画であった。しかし新型コロナウィルス感染症拡大により地域間移動の困難や対面実施の回避など計画の遂行が滞った。看護教育事例検討会では、主にオンラインであったが継続して開催してきた。今後フィールドとしての環境を整えるとともに、研究的な取り組みとして働きかけ、データ収集へとつなげていく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本研究は、グループで集い対話をしながらリフレクションを進めることを主な特徴としている。2020年度は、新型コロナウィルス感染症の拡大防止のため、対面によりグループで集うことや地域間移動に制約があり、また医療機関の関係各所では感染症対策・対応に追われている状況であるために、あえて働きかけを控えたことなどにより、本研究が意図するグループの開催が困難となり進捗が遅れた。また、研究者らは大学教員であり、臨地実習を含めた大学での授業・教育を、学生の学びを止めないために模索的かつ優先的に取り組む必要があり、時間的な制約があったため、本研究の進捗が遅れた。
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今後の研究の推進方策 |
国内外の研究動向や最新の知見について情報収集を進めるとともにオンライン会議などを通じて研究者間の協議を進めていく。また、新型コロナウィルス感染症の拡大・鎮静化状況にも左右されるが、対面でグループの開催が再開されたときに備え準備を進める。研究計画を具体化し倫理審査を受審する一方で、関係各所へ働きかけを行い会の開催の実現と参加者の獲得に努める。 また研究者らによるこれまでのグループにおける対話的リフレクションのありようを記述した研究について論文投稿を進め、その内容を通じて他の研究者との討議を進めていこうと考える。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウィルス感染症拡大のため、研究フィールドとなる語りの会の実施開始が滞っており、これに用いる費用(旅費を含む)が先延ばしにされたこと、および地域をまたいだ研究者間の会議を予定していたが地域間移動に制約があり旅費が使用できなかったことが主な理由である。次年度に延期して実施していく予定である。
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