研究課題/領域番号 |
20K10625
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研究機関 | 国立研究開発法人国立国際医療研究センター |
研究代表者 |
永井 真理 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 国際医療協力局, 連携協力部 展開支援課 専門職 (20378011)
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研究分担者 |
駒形 朋子 (阿部朋子) 国立研究開発法人国立国際医療研究センター, 国際医療協力局, 看護師 (70361368) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 仏語圏アフリカ / セネガル / 看護師 / コンピテンシー / 養成学校 / 質 / 評価 |
研究実績の概要 |
保健指標改善に向けた医療サービスの質改善のためには、看護師養成学校でコンピテンシー教育が適切に実施されたうえで、臨床看護師に対しコンピテンシー評価を行い、それをもとに卒後継続教育を施す必要がある。本研究は、「セネガルの看護基礎教育課程におけるコンピテンシー教育は、臨床での看護サービスにどのように反映されているか」を問いとして、まず、セネガル初の臨床看護師のコンピテンシー評価尺度の開発を目指した。2020年からのCOVID19流行のため、セネガル・日本双方での入国制限やセネガル国内の移動制限などが起き、当初の研究実施計画に沿った研究遂行には困難をきたしたが、制限が緩和された2022年度、セネガル保健省とともに、初めての臨床看護師のコンピテンシー評価尺度のドラフトを最終化することができた。またその過程で、セネガルでは看護師養成学校へのコンピテンシー教育カリキュラム導入後の国家資格試験合格率が毎年数割しかないこと、そのため養成学校の質の評価と改善がセネガル保健省にとって、優先度が高い政策介入であることが明らかになった。そのため本研究で、全7校のセネガル公立看護師養成学校を対象に、学校長や教員など関係者への半構造化インタビューを含む現状調査も実施した。調査結果を、規制文書・ガバナンス・機能・人材・財務・インフラ・設備・ロジスティクス・臨床実習を含むカリキュラムという9つの影響因子を用いて分析したところ、規制文書は比較的整備されているものの、それを実施する組織体制やインフラの不備、関係者の能力不足等が全校に存在することが明らかになった。この結果をもとに、教員の能力強化への取り組み、保健省が保健人材養成を実施する意義の再考、限られた資源を有効活用するためのプラットフォームの活用などを、保健省へ提言した。現在英語論文を執筆中で、近々学術誌に投稿予定ある。
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