研究課題/領域番号 |
20K10631
|
研究機関 | 大阪公立大学 |
研究代表者 |
細名 水生 大阪公立大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (90454181)
|
研究分担者 |
上杉 裕子 金城学院大学, 看護学部, 教授 (40423230)
坂井 恵子 鹿児島純心大学, 看護栄養学部, 教授 (80461664)
関戸 啓子 宝塚医療大学, 和歌山保健医療学部, 教授 (90226647)
|
研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
|
キーワード | 交代制勤務 / 看護師 / 勤務継続 / 食事 / 睡眠 |
研究実績の概要 |
本研究は、交代制勤務の看護師の食事や睡眠のとり方と心身の健康状態の実態を明らかにし、心身の健康を維持し勤務継続が可能な食事睡眠モデルを構築することを目的としている。これまでの文献検討により交代制勤務の看護師の食習慣では、欠食がある者は1日3回食事を摂る者より、BMI(Body Mass Index)や体脂肪率が高い、夜勤当日に欠食が多い、勤務中の食事や休憩時間が十分にとれない可能性を示した。また、交代制勤務の看護師の睡眠についての文献検討から、疲労を有する者は夜勤前の睡眠時間が少ない可能性が示された。加えて夜勤後1日の休日では心拍数の上昇があり疲労が十分に回復できない、長日勤は通常の日勤より疲労が高い、夜勤中の仮眠では眠気や疲労は十分な解消には至らない可能性が示された。令和5年度は関西圏200床以上の27病院の交代制勤務の看護師1,190名を対象としアンケート調査を実施した。対象者の年齢は平均35.8±10.5歳で、男性が75名(12.5%)で、女性が635名(87.7%)であった。看護師の食生活では、18.6%の者が朝食をほとんど摂取せず、68%が食事と食事の間に間食をしていた。夜勤の日の食事の回数は41.7%の者で増加、42%が変化なし、16.3%が減少していた。BMIの平均は21.8±3.6kg/m2で肥満の者は14.6%を占めていた。肥満の者はそれ以外の者より高齢で有意差がみられ、男性は女性 よりも肥満の者が多く有意差がみられた。朝食、昼食、夕食、間食、または夜食の摂取の有無については、肥満度による有意な差はなかった。具体的な食事内容では揚げ物を多く摂取する者は肥満が有る者が無い者より多くみられた。今後はこれまでの結果に基づき最適な食事と睡眠モデルを検討し、交代制勤務の看護師を対象とした介入調査を実施し検証していく。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の影響や教員欠員による教育のエフォートの増大や調査準備の困難から調査が遅れていたが、令和5年度は交代制勤務の看護師への大規模調査を実施し分析から成果の公表まで進めることができている。進捗は当初の予定より遅れているが、当初の計画のモデルの考案と介入調査を今後進めていく。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度の調査における分析の継続から交代制勤務の看護師における最適な食事睡眠モデルを検討し、介入調査の準備を進め実施していく。
|
次年度使用額が生じた理由 |
当初の計画から進捗が遅れており、費用の執行も合わせて次年度調査のため使用額を要している。介入調査の準備費等と前年度の成果の公表のための海外学術雑誌への投稿費用として使用する。
|