研究課題/領域番号 |
20K10635
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
習田 明裕 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 教授 (60315760)
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研究分担者 |
大庭 貴子 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 助教 (90803099) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | 移植看護 / 看護教育 / コア・カリキュラム |
研究実績の概要 |
本研究は、より質の高い移植看護を提供するために、基礎教育及び継続教育を俯瞰した上で、両者に跨がる一貫した教育プログラムを提示することを目的としている。 今年度は移植看護の先進国である米国の移植看護教育に関する実態や課題を明らかにし、本研究にて構築する「移植看護モデル・コア・カリキュラム」の示唆を得ることを目的に、コロンビア大学病院、マウントサイナイ病院の2施設に所属する移植コーディネーター及び移植に携わる看護師に対してオンラインによる面接調査を行った。 その結果、対象施設では、移植看護に関する専門的なコースが準備されており、看護基礎教育では「看護倫理」や「対人関係論」などの基本的な対人関係スキルを高める教育がなされていた。また卒後教育では、移植医療に関する基本的な医学知識や免疫抑制剤療法、臓器提供プロセスなど専門的な教育について、それぞれのラダーに応じた教育プログラムが提供されており、さらに院内にて多数のワークショップも企画され、移植医療に関する最新の治療や看護が学べる教育環境が構築されていた。さらに高度実践看護師として、移植看護の実務経験を積んだ看護師が試験を通じて取得できる移植看護師の認定プログラム(Certified Clinical Transplant Nurse: CCTN)も準備されおり、移植看護のキャリアが積める仕組みが整っていた。一方、米国全体を概観すると、今回の対象施設のような教育プログラムが整っていない養成機関もあり、ガイドラインやカリキュラムの整合性を図りながら教育内容を標準化していく必要性も窺えた。また移植看護の専門的な知識と経験を持つ教員の確保、さらには移植に携わる看護師が最新の情報を習得できる継続教育の充実など、移植看護教育の質を向上させるために取り組むべき重要な課題も存在しており、本邦と同様な課題を有している実態も明らかとなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
昨年度までで、本調査で計画していた移植看護モデル・コア・カリキュラムの構築に必要な面接調査及び質問紙調査などを全て終えた段階にある。
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今後の研究の推進方策 |
昨年度までの面接調査及び質問紙調査の結果に基づき、本邦における移植看護モデル・コア・カリキュラムを構築し、質的側面から検証を加える予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
予定していた米国における現地での面接調査が行えず、オンラインに切り替えたため、計上した旅費等が未使用となり残額が生じた。残額分については、今年度構築する教育プログラム検証のために使用する予定である。
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