研究課題/領域番号 |
20K10640
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研究機関 | 山口県立大学 |
研究代表者 |
井上 真奈美 (河口真奈美) 山口県立大学, 看護栄養学部, 教授 (20285357)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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キーワード | キャリアデザイン / リ・キャリアデザイン / 定年退職 |
研究実績の概要 |
本研究は退職前後のキャリアトランジッションの様相を明らかにし、看護職が定年退職前後のキャリアデザインを再度描きなおすために不可欠となる要素を抽出することにある。 令和5年度は、令和4年度までに行ったインタビュー結果をもとに、分析・解釈を継続的に行った。さらに、研究者が行った内容の解釈・分析の結果について、インタビュー対象者に説明し意味内容の解釈について確認を行いつつ分析の精度をあげるべく取り組んだ。 研究結果については、第第36回日本看護研究学会中四国地方会学術集会において発表した。「在職中の定年退職への思い」として4つのカテゴリー【ブラッシュアップからの解放】【定年になったらゆっくりしたい】【経済的な課題】【今出せるものすべてを出し切る】【恩返しのつもり】を抽出し、職務継続中の複雑な思いの関係性が明らかとなった。さらに、この思いを生じさせる因子として<先人の語り><外部組織とのつながり><社会の動き><体力の衰え>の4つが明らかとなった。さらに、退職後の思いとして【生活の立て直し】【(地域の中で)専門職として求められる不安】【活動の場の発掘とタイミング】【終活のスタート】【自分にできること探し】5つのカテゴリーが抽出された。生じた変化として<役割変化><居場所探し>というキーワードも抽出された。 これらの結果に。さらに追加データを得ることで汎用性を高めていくことを課題としている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本来、対象者へのインタビューを実施するべく計画した3年間のエフォートの大半を研究におくことができず、学生実習の代替え対応等、教育へエフォート転換を余儀なくされた。さらに、退職者を対象として選定していたため、新たにZoom等による環境整備に向けての準備にも時間を要した。さらに、物品などの新たな購入など準備対応をはじめ予定の遅延を余儀なくされることとなている。
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今後の研究の推進方策 |
収集したデータは貴重であり継続的な分析を行う。さらに、必要時には追加データを加え分析結果から、定年退職前後におけるリ・キャリアデザインの構造化をすすめる。定年退職前後についてのキャリア形成(リ・キャリアデザイン)の可視化を目指す。
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次年度使用額が生じた理由 |
コロナ下によるエフォートの変化のため研究全般が遅延している。また研究続行のため次年度予算執行を行う。対象者確保および研究続行のため、ZOOMの費用等に一部を充てる。
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