本研究の目的は、看護学教師(以下、教師)のコンピテンシーモデルに基づく「看護学実習における病態教授活動自己評価尺度」を開発することである。 令和2年度は研究課題1の質研究を実施し、教師の看護学実習における病態教授活動のプロセスと行動特性をM-GTA(Modified-Grounded Theory Approach;修正版グラウンデッドセオリーアプローチ)により明らかにした。その行動特性をもとに尺度原案37項目を作成し、全国看護系大学の成人看護学・老年看護学の看護専門領域に所属し、当該領域の実習指導を担当する教師を対象に自記式質問紙調査を実施した。令和3年度は、尺度の内的整合性、構成概念妥当性、基準関連妥当性、信頼性を確認し、さらに再テスト法を実施し尺度の再現性を確認した。本尺度は、「看護学実習における病態教授活動自己評価尺度」を「看護学実習における病態教授活動評価尺度」(Evaluation Scale for Pathophysiology Education in Nursing Clinical Practicum;以下、EPTA-NCP)と修正し、6因子23項目から構成する。令和4年度は、看護系学術集会にて本研究の成果公表を行い、最終年度となる令和5年度は看護系学術雑誌に論文投稿し、原著にて採用、掲載された。 なお、本研究では教師のコンピテンシーを分類・モデル化するまでに至らず、コンピテンシーに基づく尺度の開発に留まった。
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