研究課題/領域番号 |
20K10646
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
高梨 あさき 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (60567361)
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研究分担者 |
加茂 敦子 順天堂大学, 医療看護学部, 准教授 (50614088)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 加齢変化 / セロトニン / 排尿機能 |
研究実績の概要 |
実験モデル動物を用いて照度環境が排尿機能変化を改善する可能性と、加齢による反応性の変化を組織学的に検討することを目的とし、研究の計画をしていた。しかし2021年度も引き続き新型コロナ感染症の影響により研究時間確保が困難な状況が続き、研究計画を変更する必要があった。また、これまで使用してきたラットの場合、長期的な動物飼育への対応が難しい状況であり、動物種の変更を検討した。その結果、同じ齧歯類であるマウスは比較的安価に高齢動物の購入も可能であり、今後の研究対象動物をマウスに変更する予定とした。しかし、マウスの場合は個体が小さく1回尿量等の測定も難しいため、直接的な照度環境での飼育による排尿行動の変化に関する検討は断念し、照度環境によって影響を受けるホルモンの変化、そのホルモン受容体の組織学的な局在、あるいは遺伝子発現による検討を行い加齢の影響があるかを検討することとした。動物種の変更に伴い、文献的な再検討を行い、光環境によって影響を受けるメラトニンとセロトニンを中心に再検討することとした。今後の予定として、若齢マウスで予備実験として血液と尿中のメラトニンとセロトニンの測定、膀胱に加え尿を生成する腎臓も対象に加え受容体の局在あるいは遺伝子発現量の検討を行い、実験操作が確定したのちに高齢マウスで同様の検討を行うことを計画している。もともとメラトニンは加齢と共に分泌が減少することが知られているため、腎臓や膀胱での受容体量の変化やサブタイプの分布が変化している可能性が高い。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの流行状況の変動に合わせ、分散授業やオンライン授業への対応が必要となり教育タスクが例年の倍以上に増し研究時間の十分な確保ができなかったため。
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今後の研究の推進方策 |
これまで、ラットを用いて実験を行なっていたが、動物種をマウスに変更することで高齢動物の入手がより簡便になるため、使用動物種を変更する。マウスであれば希望の高週齢の動物を業者より直接購入することも可能になり、今までより計画的な使用が可能になると考える。しかし、実験条件や染色条件は再調整が必要になるため、組織学的な検討または遺伝子発現に絞って研究を進める。また、研究時間の確保が難しい状況が続いており、業者受託も検討し確実な研究計画遂行と成果報告を行う。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究時間の確保が困難な状況が続き、動物の購入を含め予定していた実験をほとんど実現できていないため予算もほとんど使用していない。次年度は使用動物の再検討により、高齢動物の入手が簡便なマウスに対象動物を変更し、遺伝子発現量の定量または染色実験に絞って進めていく。また研究時間の確保が困難な状況はしばらく続くため、業者委託に予算を使用し、動物種の変更に合わせて研究計画を適宜変更しながら進めていく。
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