研究課題/領域番号 |
20K10650
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
藤本 悦子 関西医科大学, 看護学部, 教授 (00107947)
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研究分担者 |
荒川 満枝 鳥取看護大学, 看護学部, 教授 (00363549)
桑本 暢子 (大久保暢子) 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (20327977)
大島 千佳 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (30405063)
竹野 ゆかり 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (20509088)
林 みつる 関西医科大学, 看護学部, 講師 (20300402)
神田 知咲 関西医科大学, 看護学部, 助教 (90613802)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | アンケート作成 / 看護 / 解剖生理学的エビデンス / 教育 |
研究実績の概要 |
令和2年度は、1)アンケートの内容作成と2)目的の指針あるいは教科書に織り込む看護に関する解剖生理学的エビデンスの作成に主眼を置いた。 1)アンケートについては、日本看護系大学協議会「看護学士課程教育におけるコアコンピテンシーと卒業時到達目標(平成30年6月)」に基づいて、看護に必要な解剖生理学に関する質問内容を抽出することを行っている(現在継続している)。 2)また看護に関する解剖生理学的エビデンスとしては、研究者間で遠隔ミーティングを行い、その内容を検討した。それぞれの研究者がこれまでに蓄積してきた研究内容を土台に、さらに精錬したものを盛り込むことが肝要であることを確認し、それに向けて解剖生理学的研究を推進した。現時点では、「体位変換と血圧変化」に関して成果が得られた。すなわち、患者に起立を促す時、患者の血圧がどのように変化するのかを明らかにした。これまでの研究では、起立性低血圧に注目されていたが、仰臥位から側臥位、座位へ変換するときに、血圧が著しく上昇することが分かった。これは新しい所見であり、これまでの体位変換の前後でカフを使った血圧計で測定した場合では分からなかったことである。この成果が得られたのは、1拍ごとの血圧を連続して測定したものであったために、体位変換途中の血圧変化を把握することができたからである。指針あるいは教科書には、「体位変換の援助」の項で、エビデンスとしてあらわす予定である。この他、「リンパ浮腫のケア」「遷延性意識障害」「感染」「糖尿病」に関連して研究を推進し、その成果を教育指針に解剖生理学的エビデンスを織り込むことを検討した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究者間でブレーンストーミングを頻繁に行い、また解剖生理学的エビデンスを得るための研究を精力的に推進する予定であった。しかし 新型コロナウイルス感染症の状況により、対面ミーティングがキャンセルされ、遠隔会議だけでは不足な点が生じた。また、エビデンスを得るために、研究参加への患者の協力が得られにくくなった(対象となる医療施設から患者との接触が禁止された期間があった)。これらのことから、当初の計画より、やや遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
アンケートの原案を作成する。 指針あるいは教科書に織り込むべきエビデンスについては、 新型コロナウイルスの感染状況に応じて研究に参加する患者数が違ってくると思われるが、成果として評価されうる人数は確保する。「糖尿病」に関連するエビデンスを得る予定である。これらとその他の研究成果を原案に加味して、アンケートを作成する。 倫理審査を受ける。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和2年度は、新型コロナウィルスの感染状況が深刻で、研究者が大阪府、東京都、名古屋市、島根県に渡っているため、対面式のミーティングが実施できず、ZOOM会議となったことと、学会発表を行ったが、Web開催となったことにより旅費が不要になった。さらに、患者を対象とした研究部分に関して、感染防止上、医療機関から出入りが制限された期間が生じたために、これに関わる消耗品や研究参加する患者への謝金が、予定より縮小した。 令和3年度は、感染状況をみながらサンプル数を補う。すなわち、1年目の計画を2年目にスライドさせた部分として、繰り越した使用額を充填する。結果は、本年度と次年度の者を加味して評価する。また、研究者が所属するそれぞれの大学の事情により、ZOOM会議の経費が、別途発生する可能性があるので、これに関わる経費が必要になってきている。感染状況が落ち着き、対面式ミーティングが可能となれば、旅費に充てる。
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