研究課題/領域番号 |
20K10650
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研究機関 | 関西医科大学 |
研究代表者 |
藤本 悦子 関西医科大学, 看護学部, 教授 (00107947)
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研究分担者 |
荒川 満枝 鳥取看護大学, 看護学部, 教授 (00363549)
桑本 暢子 (大久保暢子) 聖路加国際大学, 大学院看護学研究科, 准教授 (20327977)
大島 千佳 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 准教授 (30405063)
竹野 ゆかり 名古屋大学, 医学系研究科(保健), 講師 (20509088)
林 みつる 関西医科大学, 看護学部, 講師 (20300402) [辞退]
神田 知咲 関西医科大学, 看護学部, 助教 (90613802) [辞退]
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 解剖生理学 / 根拠 / 指針 |
研究実績の概要 |
昨年度に引き続き令和3年度は、1)アンケートの内容作成と2)目的の指針あるいは教科書に織り込む看護に関する解剖生理学的エビデンスの作成に主眼を置いた。 1)「アンケートの内容」について 「看護技術の理解と習得のために不可欠な解剖生理学」というテーマで、共同研究者間でZoom会議を重ねた。看護技術としては、1.環境調整技術 2.食事の援助技術 3.排泄援助技術 4.活動・休息援助技術 5.清潔・衣生活援助技術 6.呼吸・循環を整える技術 7.創傷管理技術 8.与薬の技術 9.救命救急処置技術 10.症状・生体機能管理技術 11.感染予防技術 12.安全管理の技術 13.安楽確保の技術の項目と、その下位に位置する71項目に焦点を当てた。共同研究者からの情報を集約した。例えば「食事介助(嚥下障害のある患者を除く)」の項目では、解剖生理学の理解としては、「嚥下のメカニズム」「喉頭蓋の動き」「反回神経麻痺」「食事を認識するための視覚刺激と姿勢」が必要であることが抽出された。同様に「排泄援助(床上、ポータブルトイレ、オムツ等)」の項目では、「自律神経」、「膀胱の位置と重力」、「大腸の位置関係と重力」、「いきみやすい姿勢の保持」が抽出された。 2)指針に書くべき解剖生理学のエビデンスについて 各研究者の基盤的研究を進展させることを確実にすることが決定した。現在成果としては、「(起立性低血圧を視野に入れた)離床を促す時の血圧変化」を論文発表し、さらに糖尿病患者の血圧変化について学会発表した。この他昨年に引き続き、「リンパ浮腫のケア」「遷延性意識障害」「感染」「糖尿病」に関連して研究を推進している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究者間でブレーンストーミングを頻繁に行い、また解剖生理学的エビデンスを得るための研究を精力的に推進する予定であったが、昨年度に引き続き、新型コロナウイルス感染症によって対面ミーティングがキャンセルされ、内容の充実には遠隔会議だけでは不足なところが生じた。また、臨床上のエビデンスを得るためには患者協力が必要であるが、昨年度に引き続き医療機関が出入りを制限する場合があり、協力を得ることが厳しい状況が続いている。その中で、糖尿病患者についてはサンプルサイズを満たすことができた。しかし他の研究に関しては依然として厳しい。これらのことから、当初の計画より、やや遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
指針あるいは教科書に織り込むべきエビデンスについては研究を推進し、その成果をアンケート原案に加味して、アンケート内容を完成する。デルファイ法での研究戦略を充実させることを目的に、デルファイ法で研究を行っている研究者を招き、具体的な方法を示す研修会を開催する。さらに本研究の項目について専門的助言を得る。倫理審査委員会の審査を受ける。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3年度においても、新型コロナウィルス感染の影響で、研究間で面式のミーティングが実施できずZOOM会議となった。また学会発表を行ったが、Web開催となったことにより旅費が不要になった。さらに、患者を対象とした研究部分に関して、感染防止上から研究が制限された期間が生じたために、これに関わる消耗品や研究参加する患者への謝金が予定より縮小した。 令和4年度は、感染状況をみながらサンプル数を補う。すなわち、計画を次年度にスライドさせた部分として、繰り越した費用を充填する。感染状況が落ち着き、対面式ミーティングが可能となった場合や現地開催の学会に参加する場合には旅費に充てる。
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