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2024 年度 実績報告書

深部損傷褥瘡における自然リンパ球の炎症調整機構を活かす看護ケア方法の開拓

研究課題

研究課題/領域番号 20K10654
研究機関山形大学

研究代表者

松田 友美  山形大学, 医学部, 教授 (90444926)

研究分担者 石田 陽子  山形大学, 医学部, 准教授 (60322335)
菅野 恵美  東北大学, 医学系研究科, 教授 (10431595)
三浦 奈都子 (小山奈都子)  岩手県立大学, 看護学部, 教授 (40347191)
研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2025-03-31
キーワード褥瘡 / DTPI / RORγt / 創傷治癒 / 腸管 / occludin / claudin2
研究実績の概要

本研究の目的は深部損傷褥瘡(Deep Tissue Pressure Injury: DTPI)憎悪の一因となる過度な炎症を抑えるため発生機序を解明し、皮膚機能温存のために適切な炎症を誘導する初期対応看護ケア開拓を目指すことである。炎症初期の炎症調整因子として自然リンパ球 (innate lymphoid cell: ILC)の一種『ILC3』に着目し、動物モデルを作製して肉眼的、組織学的および細胞生物学的に分析した。圧迫創の適時の創傷治癒のために必要な看護ケア方法のための多角的分析の結果を報告する。
研究開始当初はDTPI圧迫創を作製し、ILC3局在マーカーのRORγt陽性自然リンパ球陽性細胞の皮膚および腸管免疫系の局在と相関について分析した。しかし、圧迫創傷の創中心部におけるILC3の局在性が不明瞭のため、創と腸管における関係性の探索は今後の課題である。
皮膚損傷と腸管との関係をみるため、侵襲性の高い切開創を作製したマウス腸管の形態を分析した。切開創は、4日目には全個体で真皮深層の肉芽組織と表皮基底層が再建され一次癒合治癒した。腸管の粘膜上皮層は減少し細胞間結合蛋白(occludin,claudin2)に影響した。occludinは、創作製後に空腸と回腸の管腔側で増加した。物理的バリア機能を担うoccludinは、創作製後の腸管で微生物等の体内への侵入防ぐため管腔側に強固なバリア機能を示した。一方、グルコース等の栄養吸収に必要不可欠なclaudin2は維持されたが、4日目の回腸管腔側ではclaudin2が増加した。エネルギーを必要とする創の増殖期に増加し強固な細胞間の接着を示したのは、創作製の侵襲からの回復のためにより多くの栄養素を吸収する反応と推測された。
皮膚の受傷はその治癒に必要なエネルギーや水分の供給路である腸管の形態・機能に深く関係する可能性を明らかにした。

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公開日: 2025-12-26  

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