研究課題/領域番号 |
20K10660
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
新地 浩一 佐賀大学, 医学部, 教授 (30404164)
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研究分担者 |
松永 妃都美 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (60612017)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 国際看護 / 多職種連携 / 大学院教育 / 国際緊急援助 |
研究実績の概要 |
令和3年度には、国際看護学概論(大学院の共通必修科目:1単位15時間)において、前年度に構築した教育モデルに基づき、実践的な国際看護に関する教育を本格的に開始した。ただし、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる影響で、対面での教育が困難となり、オンデマンド方式の遠隔講義の形式で実施することとなった。そのため、シミュレーション演習に関しては、グループワークが困難であり、個人課題の形で試行することとなった。シミュレーション演習に関しては、JICA海外協力隊などの国際看護活動の実践経験のある看護師に研究協力を依頼して、彼らの派遣国における実際の保健医療活動をモデルとし、視聴覚機材を用いた演習を取り入れた。 令和3年11月22日には、海外において国際看護活動の経験を有する看護師7名(研究協力者および研究分担者を含む)を佐賀大学に招聘して、今後の国際看護の教育に関する講演会および学生への特別講義を実施した。当日は、アフリカのザンビア共和国、ベトナム、ブラジル、フィリピンなどで、活動経験のある看護師からの教育に関する提言を受け、貴重な情報交換を実施した。 令和3年度までの研究成果は、日本災害医学会および日本国際保健医療学会などの関連学会で発表した。研究協力者の野中良恵は、災害支援ナースの教育に関する原著論文を学会誌(JIE)に発表した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
令和3年度は、先進健康科学研究科の修士課程1年次全員である60名の大学院生を対象として、実践的な国際看護の教育を開始した。さらに、学習環境・指導体制の整備を実施した。 具体的には、大学院における多職種連携をめざした実践的な国際看護の教育のためのプログラムを構築するために、教育方法や教育項目を明らかにすることを目的として、国際的な看護活動の経験のある看護職14名から、自記式質問紙調査法による調査を実施した。Open Question(「多職種連携の教育を行うためには、どのような教育が必要だと思いますか?」)の回答を、質的記述的解析を用いて分析した。その結果、多職種連携に必要な教育は『ディスカッション』、『演習』、『実習』の3つのカテゴリーに集約された。ディスカッションは「多職種でのディスカッション」「多職種の役割・連携についての体験談と議論」、演習は「ロールプレイ」、「シミュレーション」、「グループワーク」、実習は「多職種連携の現場の見学や実習」「地域での実習」の7つのサブカテゴリーが含まれた。この結果を総合的に検討して、国際看護活動経験者からの実践的な教育方法の提案を実現可能で有用なものから教育プログラムに採り入れていくこととした。効果的な大学院における国際看護の教育プログラムを作成して、人材育成に役立てるべく、RECORDS式教育プログラム(仮称)と名付けて、令和4年度以降に、具体的な教育内容について、検討を重ねる予定である。令和3年度は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる影響で、対面講義の実施が困難であり、やむを得ずオンラインによる遠隔講義となった。そのため、当初予定していたグループワークによるシミュレーション演習が困難であり、個人課題による演習に切り替えることとなった。そのため、来年度以降の本研究の教育の評価に一部影響が出る可能性がある。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度において、実践的な国際看護の教育の評価を実施する予定である。最終的には、多職種連携の調整能力に優れ、国際看護の領域で活躍する看護師の人材育成をめざしている。実践的な国際看護の演習を含む教育を導入することにより、看護教育の質向上につながり、国際社会において貢献できる知識・技能および柔軟性、調整能力に優れた看護職者を育成することを目指している。 特に、令和3年度に開発したRECORDS式教育プログラムをさらに発展させて、具体的なシミュレーション教育の教材開発(演習課題の作成などを含む)を実施して、e-learning system を利用したオンライン教育の構築を目指す予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルス感染症の感染爆発により、令和3年度に開催予定であった世界災害救急医学会が開催延期となり、参加費および旅費2名分を令和4年度に繰り越すこととなった。また、国内出張もできなかったため、令和4年度に使用予定である。前記の理由で、約48万円を令和4年度に繰り越す予定である。
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