研究課題/領域番号 |
20K10660
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
新地 浩一 佐賀大学, 医学部, 客員研究員 (30404164)
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研究分担者 |
松永 妃都美 長崎大学, 原爆後障害医療研究所, 助教 (60612017)
石橋 秋奈 久留米大学, 医学部, 助教 (10914038)
徳永 郁子 熊本保健科学大学, 保健科学部, 准教授 (10325615)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 国際看護 / 多職種連携 / 大学院教育 / 国際緊急援助 / 災害看護 |
研究実績の概要 |
令和4年度には、国際看護学概論(大学院共通必修科目:1単位15時間)において、令和2~3年度に構築した教育モデルに基づき、実践的な国際看護に関する教育を本格的に実施した。ただし、令和3年度同様に、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによる影響で、対面での教育が困難となり、オンデマンド方式の遠隔講義で実施した。そのため、シミュレーション演習に関しては、グループワークが困難であり、個人課題の演習を試行することとなった。シミュレーション演習に関しては、昨年度同様に国際看護活動の実践経験のある看護師に研究協力を依頼して、彼らの実際の保健医療活動をモデルとして、視聴覚機材を用いた演習を取り入れた。 研究分担者の石橋(久留米大学)は、国際緊急援助活動における外科系看護師の人材育成のための研究を推進した。その結果は、手術機能を有する国際緊急援助隊外科チームに参加した13名の医師・看護師を対象とした質的研究において、現場で必要となる実践的な看護能力とは、「情報を判断し決断・実行する能力」、「文化の異なる環境で協働し、様々な対象を支える力」、「患者と患者家族も含めたケアの準備」、「オートクレーブ滅菌器の手配」および「活動時の物品管理」などであった。また、研究協力者の柴山(佐賀大学)は、過去15年間における海外での大学院生の実践課題演習(約2週間の海外医療・看護実習で、実践的な医療支援活動を取り入れた実習)の参加者10名による大学院教育としての評価をまとめて、令和5年3月に開催された第26回EAFONS(東京)にて発表した。研究代表者の新地は、過去18年間における佐賀大学大学院の国際看護領域の教育の推移およびその評価に関する発表を令和5年3月に第28回日本災害医学会総会(盛岡)にて行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
約3年間にわたる新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、大学院の教育において対面講義やグループワークが実施できず、オンライン教育に切り替えざるを得なかったため、教育に関する研究の評価が難しく、研究の進展がやや遅れてしまった。研究期間を1年間延長して、令和5年度末までに、研究成果を出す予定である。
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今後の研究の推進方策 |
令和2~4年度の3年間に得られた教育に関するデータを解析して、令和5年度末までに、多職種連携を含む効果的な教育プログラムの開発を目指す予定である。令和5年11月には、国際看護活動の経験を有する看護師2名(研究協力者)を佐賀大学医学部に招聘して、今後の国際看護の教育に関する講演会および特別講義を実施する予定である。その機会を利用して、教育プログラムの評価を依頼する。研究成果は、関連学会等で発表する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
令和3-4年度は、新型コロナウイルス感染症の流行拡大により、効果的な対面講義が実施できなくなり、研究輔佐員の雇用も困難であった。世界災害救急医学会の開催も2025年に延期された。そのため、研究の進捗がやや遅れ、研究期間を1年間延長することとなった。未使用額が生じたのは、前記の理由によるものである。未使用額の約79万円は、令和5年度に使用する消耗品の購入、成果発表のための学会参加旅費(第29回日本災害医学会総会(京都)に参加予定)、および令和5年11月に佐賀大学医学部にて開催する特別講義の講師招聘のための旅費、謝金等に有効に使用する予定である。
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