研究課題/領域番号 |
20K10661
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研究機関 | 横浜市立大学 |
研究代表者 |
勝山 貴美子 横浜市立大学, 医学部, 教授 (10324419)
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研究分担者 |
加藤 憲 愛知淑徳大学, 健康医療科学部, 教授 (90753038)
撫養 真紀子 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (60611423)
朝倉 輝一 東洋大学, 法学部, 教授 (00522913)
真野 俊樹 中央大学, 戦略経営研究科, 教授 (20327886)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 道徳的推論 / 多職種連携教育 / Covid-19 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は2点である。医療者がどのような場面で道徳的苦悩を感じているか、その実態を明らかにし、道徳的推論の能力を向上させる多職種連携の教育プログラムを構築することである。Covid-19の影響で残念ながら十分に関連する事例を集め、分析ができたとは言い難い。しかし、医療者が道徳的苦悩を生じた具体的な事例の分析から、それらは個人の体験のみならず組織からの影響が非常に大きな関連があること、関係する人々の価値と自身の価値の違いに気づき受け入れ、この価値感/モラル的視点に気づくという経験が学習され、内面化されることが重要であることが明らかとなった。今年度、これらの成果をもとに多職種や管理職などを対象とした道徳的推論の向上を目指した教育プログラムの実施と評価を行った。価値感/モラル的視点に気づくという経験が学習され、内面化されるプロセスの重要性について”Moral Distress and Authentic Leadership of Nurses in Covid Pandemic Situations”( Katsuyama and Kato JSAC 2022 Toronto)のテーマで学会発表し、参加したカナダ、米国などの研究者と議論を行った。今年度、Covid-19パンデミックによる地域包括ケアシステムの影響とその課題(Asakura2023)、新人看護師らへの影響を鑑みた初学者であるスタッフも含めた教育のあり方(撫養2022)、医療系事務職の人材の活用(真野2023)など研究成果を報告した。道徳的推論の向上を目指した教育は、制度政策の問題や課題、教育の対象者の特徴を踏まえ、さらに深く検討をしていく必要性が明らかとなった。
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