| 研究課題/領域番号 |
20K10663
|
|---|
| 研究機関 | 長野県看護大学 |
|---|
研究代表者 |
太田 克矢 長野県看護大学, 看護学部, 教授 (60295798)
|
|---|
| 研究分担者 |
竹内 幸江 長野県看護大学, 看護学部, 准教授 (00311902)
青木 駿介 長野県看護大学, 看護学部, 助手 (30827332)
那須 裕 長野県看護大学, 看護学部, 名誉教授 (50020839)
|
|---|
| 研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
|
| キーワード | 理科的基礎知識 / 看護学科 / 新入生 / 尿試験紙 / 疑似尿 |
|---|
| 研究実績の概要 |
先行研究で抽出された「看護学生が入学時点で習得状況が低い項目」に関して、「教授方法の開発や改良」を中心に2021年度も引き続き検討を進めた。この中で、学生は分子レベルの学習項目の習得度が低い傾向があった。この原因の１つとして「目には見えないもの」が実際の生活にどのように繋がるかが具体的に想像しにくく、分子レベルの学修項目に高校で興味がわかなかったという可能性が考えられた。一般的に看護を学び始めた学生は生体の現象には関心を持ちやすく、これに生体分子などを関連させることができれば、分子レベルの学修にも興味を示すと思われる。そこで2020年度に「尿試験紙用の疑似尿を食品で作成する方法の開発」を中心に研究を進めた。この結果、入手が容易な材料で実験に精通していない教員や学生でも作成できる「疑似尿の作成方法」が提案・報告できた。この疑似尿では、尿試験紙法で一般的な「タンパク質・ブドウ糖・pHの３項目（以下，基本3項目）」に明瞭な反応を示せた。この疑似尿を用いて、2020年度は実験の演習で学生に検査体験をさせたが、2021年度は「看護の演習」の教材として疑似尿を利用して様相などを観察した。また、疑似尿の汎用性を高める為、試験紙の基本３項目以外にケトン体や比重の項目に反応する疑似尿の作成方法を検討した。これらの結果、本研究で提案する疑似尿が看護の授業で利用しうることや、ケトン体や比重の項目に反応する疑似尿も容易に作成できることが分かった。。
|
| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究の遂行に「学生を実際に集めて確認・検証する」「大学に登校させて体験させる」などの機会が必要である。2020年度に比較すればがこの機会は増加できたものの、コロナ禍前に想定していた十分な機会の回数を感染予防の観点から得ることはできなかった。この為、実施できず遅延が生じている。さらに、4月からの授業も遠隔であった為、科研費取得前から実施している例年の基礎的知識の調査ができず、より詳細な解析の機会を得ることができなかった。これらが遅延していることも要因となり他の教授方法の開発も進展が遅くなっている。
|
| 今後の研究の推進方策 |
食品や日用品による疑似尿の作成方法の改良を更に検討する。具体的には尿試験紙で検査できる項目数の増加や保存方法と保存性などについて検討を重ねる。また、この作成した疑似尿の教材としての利用方法をコロナ禍で可能な範囲で検証していく。この他、「課題項目に対する新しい教授方法の開発や改良」、「新規の課題項目の抽出」「各々の教授方法の検証」の順番で遂行を優先しつつ、途中の結果状況に応じて可能な部分を進めていく。
看護学科に入学した新入生の理科的基礎知識の状況の把握に関しては、先行研究で調査した内容を整理・再検討していくとともに、正解率が低値であるものについて考えられる理由を学生への問いかけなどでも把握し、2次アンケートを作成・実施するなどして理由の確証性を高めていく。また、場合によりコロナ禍でも利用しやすいITCを利用した新たな教授方法の検討も行う。
|
| 次年度使用額が生じた理由 |
（理由）コロナ禍において、研究の進捗に遅延が生じたため。
（使用計画）尿試験紙による検査体験用の「食品・日用品で作成する疑似尿」で検査できる項目数の増加を検討するために使用していく他、必要に応じて「課題項目の新規の教授方法の開発や改良」、「新規の課題項目の抽出」「各々の教授方法の効果の検証」などの遂行や成果の発信に必要な経費に使用していく。また、場合によりITCを利用した教授方法の検討に必要な機器の購入に使用する。
|
