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2022 年度 実施状況報告書

刺入部観察や血液逆流が可能な「装着型点滴滴下シミュレーター」の開発と評価

研究課題

研究課題/領域番号 20K10664
研究機関三重県立看護大学

研究代表者

玉田 章  三重県立看護大学, 看護学部, 教授 (50252151)

研究期間 (年度) 2020-04-01 – 2024-03-31
キーワードシミュレーション教育 / 点滴静脈注射 / 看護学 / シミュレータ
研究実績の概要

看護学実習において学生の看護行為の実施については、患者の安全確保のために実践可能なレベルまでに技術を習得させて臨ませる必要がある。本研究は、点滴静脈内注射(以下、点滴)の管理として必要な「滴下スピードの調整」や「血液逆流防止」などを学ぶことができる「点滴滴下シミュレータ」を開発し、その学習効果を検証することを目的としている。
2021年度に開発を完了し、特許申請が終了した「点滴滴下シミュレータ」ではあったが、2022年度に試験的に使用した際に装着方法に問題があることが判明した。シミュレータ装着は、マジックバンテージにシミュレータを貼り付け、そのマジックバンテージを前腕に巻く方法としていたことから、マジックバンテージが前腕からずれたり、また抜け落ちるなどの状態となった。そのため、装着方法をマジックバンテージから粘着シートに変更し、「点滴滴下シミュレータ」を直接、前腕内側に貼り付ける装着方法に変更した。この改良によってシミュレータがずれる問題は解消され、さらに点滴をうける患者をより現実的に近い状態に再現できるようになった。そのうえ、装着が簡単かつ短時間で可能となるなど副次的な効果もみられた。
この改良した「点滴滴下シミュレータ」を、学生を模擬患者とした学内演習で使用して学習効果の調査を行った。調査は、模擬患者に点滴された状態を再現するまでの時間測定、複数の看護系教科書から点滴実施中の観察や注意点などを抽出して質問項目とした学習調査用紙により行った。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナ感染症の拡大が継続し、臨地実習が中止されて学内実習で対応するなどの業務に追われ、2020年に実施した従前の方法(前腕部に留置部分を切ったカテーテルをドレッシング剤で固定して吸水パットで覆って滴下)での学習効果のデータと、2022年度に「点滴滴下シミュレータ」を使用した方法によるデータとの比較分析が遅れている。それに伴い論文執筆が滞っている。
「点滴滴下シミュレータ」は滴下可能な時間を約30分と想定して製作したが、滴下スピード=滴下量を増加させると滴下可能な時間が大幅に減少することや、シミュレータ本体のケース内の可撓性のバルンが滴下薬液で充満するとケースの上蓋が外れるといった問題があるため、実際の演習使用に際しては、まだ課題を有している。

今後の研究の推進方策

2020年に実施した従前の方法(前腕部に留置部分を切ったカテーテルをドレッシング剤で固定して吸水パットで覆って滴下)での学習効果のデータと、2022年度に「点滴滴下シミュレータ」を使用した方法によるデータの取得は完了していることから、これらを分析して論文執筆につなげる。また、2022年度に改良した「点滴滴下シミュレータ」ではあるが、滴下可能時間が約30分であることやシミュレータ内のバルンに滴下薬液が充満するとシミュレータケースの上蓋が外れるといった問題を解決するために、更なる改良を施したシミュレータを試作し、学内演習で問題なく使用できるようにする。

次年度使用額が生じた理由

新型コロナ感染症の拡大が継続し、臨地実習が中止されて学内実習で対応するなどの業務に追われ、データ分析と論文執筆が遅れている。また、2022年度に装着方法を改良した「点滴滴下シミュレータ」ではあるが、滴下可能時間が約30分であることやシミュレータ内のバルンに滴下薬液が充満するとシミュレータケースの上蓋が外れるといった使用上の課題があり、学内演習で問題なく使用できるよう更なる改良のために基金を使用する。

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公開日: 2023-12-25  

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