研究課題/領域番号 |
20K10670
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研究機関 | 日本赤十字秋田看護大学 |
研究代表者 |
丹治 史也 日本赤十字秋田看護大学, 看護学部看護学科, 講師 (80848242)
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研究分担者 |
南部 泰士 東京医療保健大学, 看護学部, 教授 (70611846)
柿崎 真沙子 名古屋市立大学, 医薬学総合研究院(医学), 講師 (20580872)
黒澤 昌洋 愛知医科大学, 看護学部, 准教授 (00586068)
嶋谷 圭一 千葉大学, 予防医学センター, 特任助教 (50869435)
西本 大策 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (80757675)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 看護学士課程 / IR / 学修成果 / 教育評価 / ベンチマーク |
研究実績の概要 |
近年、大学生の学修成果や教育の質を評価する活動である教学Institutional Research (IR)への関心が高まっているが、看護系大学での教学IR活動の実態は可視化されていない。また、海外においては、看護学士課程における学生の学修成果(客観的指標)への関連要因について調査した研究は報告されているが、日本においては報告されていない。 本研究では、日本の看護系大学において、1)教学IR活動に関する実態の解明、2)看護学士課程における学生の学修成果向上に影響する要因の解明、3)共通で使用できる教学IR学生調査項目を開発することを目的とする。 2022年度(3年目)は、第1次調査「1)教学IR活動に関する実態の解明」のために実施した実態調査に関する論文執筆を実施した。看護系大学48校・424名を調査対象とした。 回答者116名のうち51名(44.0%)が「IRの名称・役割ともに知っている」、82名(70.7%)が「IR組織がある」に該当した。IR組織の担当項目と比較したい項目ともに教学関連が多く、入学志願者・卒業生調査では比較したい項目での割合が高かった。看護系大学ではIR組織の設置が先行し認知度が低く、また現状の分析項目と他大学と比較したい項目にはギャップがあるため、各大学でIRの共通理解を図ることが課題である。 また、第2次調査として「2)看護学士課程における学生の学修成果向上に影響する要因の解明」のためにインタビュー調査を実施し、現在3名のインタビューを終了した。2023年度も引き続き実施していく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウィルス感染症の影響により、県外移動が制限された時期があったため、全国各大学へのインタビュー調査の開始時期が遅延した。当初の予定では対面でのインタビュー調査を計画していたが、オンラインでの実施に変更した。現在インタビュー調査は3名終了しており、次年度も継続して実施する。研究成果の進捗としては第1次調査の論文が掲載された。
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今後の研究の推進方策 |
2023年度は、2022年度に引き続き第1次調査に協力を得られた大学から10大学を選定し、研究目的「2)看護学士課程における学生の学修成果向上に影響する要因の解明」および「3)共通で使用できる教学IR学生調査項目」に関連するインタビュー調査を継続する予定である。当初、2021年度に実施予定であったが、新型コロナウィルス感染症の影響により対面での実施ができず開始が遅れたが、2022年度にはオンラインでのインタビュー調査を開始した。現在3名のインタビューが終了しており、残り3~5名のインタビューを行う予定である。この調査結果は、看護学士課程における教学IR学生調査項目のベンチマーク指標の開発の基礎資料となる。
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次年度使用額が生じた理由 |
前年度に引き続き、COVID-19の影響により調査がやや遅れていること、当初インタビュー調査を対面実施予定で旅費を必要としていたが、Zoomによるオンラインでの実施に切り替えたことで残額が生じた。しかし、インタビュー調査のデータ管理やその後の妥当性検証、学会発表、論文公表に費用を要する。当初の計画に沿って助成金を使用し、オンラインでのインタビューに切り替えたことによって生じた差額については返還を視野に入れている。
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