研究課題/領域番号 |
20K10678
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研究機関 | 姫路大学 |
研究代表者 |
平松 幸子 姫路大学, 看護学部, 准教授 (80867309)
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研究分担者 |
川崎 幹子 宇部フロンティア大学, 看護学部, 准教授 (50562683)
西村 伸子 姫路大学, 看護学部, 教授 (90515800)
菅野 夏子 姫路大学, 看護学部, 教授 (90293290)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 職業性ストレス / 看護師 / 働き方改革 / ワークライフバランス / 自律神経活動 |
研究実績の概要 |
職業性ストレスに対する働き方の見直しと行動変容がワーク・ライフ・バランスへ与える影響について明らかにすることを目的に介入した。A大学病院に勤務する看護師217名(介入群:60名、非介入群:157名)。介入群とは、勤務状況によって生じているストレスや悩み、問題点など表出された課題から、解決策を検討し、2か月間ストレス対する対処行動を実施した群であり、非介入群は実施していない群である。2か月間ストレスに対する対処行動実施後、ワーク・ライフ・バランス(以下WLB)指標を用いて調査を実施した。WLB指標は、介入群と非介入群間のt検定を行い検証した。 介入群と非介入群間において有意差を認めたWLB指標項目は、経営姿勢(p<0.01)、職場風土(p<0.05)、上司の管理行動(p<0.01)、仕事の裁量(p<0.05)、人事管理(p<0.05)、自己啓発(p<0.05)、社会活動(p<0.01)、組織コミットメント(p<0.05)、仕事総合(p<0.05)、総合(p<0.01)であった。WLB指標項目の平均値はすべての項目において、介入群の方が非介入群よりも高値であった。 勤務状況によってもたらされるストレスに対し積極的に対処することにより、WLBの実現度があがることが推測された。職場環境や個人のニーズである仕事と生活の評価はバーンアウトとの関連が強く、これらが満たされることによりバーンアウト予防につながる。大学病院に勤務する看護師に適した働き方改革について各自が関心をもち、組織として取り組むことが必要であると考える。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本研究は3段階で構成しており、その内容は、1段階として、看護師の急性ストレスを自律神経活動の測定を行い分析する、2段階目は、爪試料に含まれるコルチゾールの解析より慢性ストレスについて分析する、そして3段階目は結果をふまえて、看護師へ働き方改革に関する介入を行う計画を立案し進めてきた。現在、2段階目の研究の爪試料の解析を担当した教員より解析結果が提出されるのを待っている状況である。その他は予定通り遂行できており、依頼している解析結果を含めて、総合的な分析を行う予定である。
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今後の研究の推進方策 |
第1研究から第3研究までの結果は、昨年までの間に国内外の学会で発表しており、現在、一部を論文投稿している。今年度は研究成果をすべて論文にまとめ、看護師の働き方改革の在り方に関しての成果を広め、共有できるよう取り組む。
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次年度使用額が生じた理由 |
今年度、必要となる経費は論文投稿に関わる翻訳などの諸費用である。
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