研究課題
実験1.ラット後肢のリンパ浮腫モデルを使った研究│ラット5匹を使い、後肢に浮腫モデルを作成した。慢性化した浮腫の目安である手術後7日以降に微量生体ガスが採取できたのは3例のみで、その小集団のデータを用いてガスクロマトグラフィー法で分析、解析し、浮腫に特異的な特徴量を検索した。しかしながら、本法ではモデル作成に長時間を要し、麻酔による生体への影響が大きいこと、さらに後肢から生体ガスを安定的に採取することが困難であることなどから、本実験系の採用を見送り、新たな実験系を構築した(実験2)。実験2.マウス尾部のリンパ浮腫モデルを使った研究│マウス5匹を使い、尾部の浮腫モデルを作成した。慢性化した浮腫の目安である手術後7日以降に微量生体ガスが採取できた例は5例で、5例ともに術後9日目をピークとする浮腫が確認された。網羅的検討(時間120~830秒、マスナンバー43~120)において、尾部表面積などのいくつかの浮腫のパラメーターと相関のある特徴量は最小1144、最大1650個であった。実験3.生理的浮腫に特異的な微量生体ガス成分の探索│所属施設の倫理委員会承認を得て、健常人7名を対象とした予備実験を行った。日常的な活動で生じる生理的浮腫の発症前後で生体表面の微量ガス分析を行った。実験2と同様の解析系において、体水分などのいくつかの浮腫のパラメーターと相関のある特徴量は最小58、最大353個であった。まとめ│最大で1000を超える特徴量が見出された。今後、実験2および実験3の結果を統合し、さらに、既存の知見等を手掛かりとして将来性ある特徴量を絞り込んでいく。
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