研究課題/領域番号 |
20K10688
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
石川 陽子 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (40453039)
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研究分担者 |
成瀬 和子 東京医科大学, 医学部, 教授 (70307122)
神村 初美 東京都立大学, 人文科学研究科, 客員研究員 (80764654)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 下方移動 / EPA介護福祉士 |
研究実績の概要 |
2020年度は文献検討を行った。医学中央雑誌Web版、CiNiを用いて「外国人介護福祉士」「EPA介護福祉士」をキーワードとして検索した結果、2008年から2020年までに105本の論文が抽出された。「下方移動」をキーワードとした検索では労働移住に伴う下方移動に関する論文は1本であった。 日本に労働移住をした外国人の下方移動に関する論文で医療福祉分野における研究は見られなかった。 EPA介護福祉士を対象とした論文は、受け入れ体制の整備、EPA介護福祉士の評価、定着、日本語教育に関する論文が多くみられた。外国人介護福祉士のキャリアパスに注目した論文は少ないものの、いくつかの質的研究では母国で看護師経験を持つEPA介護福祉士が日本で医行為を行えないことにジレンマを抱いていたり、日本語能力試験1級を取得し看護師国家試験受験を目指していることが明らかになっている。EPA介護福祉士は日本の介護施設でのキャリアを高齢者ケアのスキルを積むことと捉え、将来、高齢社会となる母国に還元できると考えている一方で、日本における介護福祉士としてのキャリアに展望を見出しにくいと感じている。海外における看護師の下方移動に関する研究の対象者と比較すると、日本に在住するEPA介護福祉士は年齢が若く、移住の理由は「家族のため」よりも「自身の将来のキャリアのため」であることが多い。EPA介護福祉士を対象とした下方移動の研究に際しては対象者の属性を考慮し関連要因の分析をすることの必要性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19の発生により、インドネシアにおける調査を行うことができなかった。2021年度も渡航制限が解除されない状況が考えられるため、国内調査を先に行い、海外調査は2022年度に持ち越す予定である。
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今後の研究の推進方策 |
海外論文についての文献検討を進めるとともに国内調査を実施する。調査はCOVID-19の状況が収まるまではオンラインによる面接調査とする予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19の発生に伴いインドネシアでの現地調査が実施できなかったため渡航費用、調査費用が不要となった。2021年度は国内調査を先に実施し、渡航制限が解除されない場合は海外調査を2022年度に延期する予定である。
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