研究課題/領域番号 |
20K10688
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研究機関 | 東京都立大学 |
研究代表者 |
石川 陽子 東京都立大学, 人間健康科学研究科, 准教授 (40453039)
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研究分担者 |
成瀬 和子 東京医科大学, 医学部, 教授 (70307122)
神村 初美 東京都立大学, 人文科学研究科, 客員研究員 (80764654)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 看護師の国際移動 / 下方移動 |
研究実績の概要 |
前年度に引き続き2021年度もCOVID-19のパンデミックにより海外での研究活動に関する規制があり海外調査を実施することができなかった。このため研究計画にある母国で看護師資格を持ちEPA(Economic Partnership Agreement 経済連携協定)により介護福祉士候補者として来日し、日本の介護福祉士資格を取得したインドネシア人を対象としたインタビュー調査を行うことにより、インドネシアから日本に移住することで生じる下方移動に関係する要因を明らかにすることを予定していた。過去のEPAにより来日したインドネシア人・フィリピン人看護師を対象としたインタビュー調査および先行研究からは、看護師の国際移動および定住には母国の文化のジェンダー役割が大きく影響していることが明らかになっており、インタビュー内容にはジェンダー役割を含めた文化や社会規範の内容を入れることが重要だと判断した。そのため、文化的要因を考慮したインタビューガイド作成するため文献レビューを再度行いこれに時間を要したため2021年度にインタビュー調査を開始することができなかった。 文献レビューでは主に以下がわかった。アジア出身の既婚女性の労働移住は家族への献身という側面があるが、家族の呼び寄せにより配偶者の社会適応の問題が生じている。未婚女性では、移住先での自身のキャリアや自由な生活と母国の親族からの結婚への圧力という社会規範の間に葛藤を抱えている。女性のイスラム教徒は異教徒と結婚することが困難なため日本で国際結婚により定住する可能性が低いことも帰国の要因のひとつとなっている。 上記をふまえたインタビューガイドを作成し2022年度に国内のインタビュー調査を実施することとした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
インドネシアではCOVID-19のパンデミックにより2021年度もキャンパスでの活動が制限される状況が続いており海外調査を行うことが不可能であった。国内調査を先に行う予定としたがインタビュー内容の確定に時間を要し2022年度に持ち越すこととなった。
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今後の研究の推進方策 |
2022年5月に研究倫理審査を申請し、8月~9月に調査を実施、10月~12月に分析予定である。海外調査については現時点で見通しが立っていないため、現地の研究協力者と調整した上で進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
COVID-19がパン2020年度、2021年度に海外調査を実施することができなかった。2022年度に状況が改善次第、海外調査を実施する。
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