研究課題/領域番号 |
20K10691
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研究機関 | 静岡県立大学 |
研究代表者 |
加藤 京里 静岡県立大学, 看護学部, 講師 (70385467)
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研究分担者 |
田中 美智子 宮崎県立看護大学, 看護学部, 教授 (30249700)
管原 清子 静岡県立大学, 看護学部, 講師 (80624923)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 冷罨法 / 三叉神経 / 呼吸 |
研究実績の概要 |
呼吸困難が生じる疾患の中でも有病率が世界的に高レベルである慢性閉塞性肺疾患は、2030年には世界の死亡原因の第3位になると予想されている。地域で呼吸困難がありながら生活している慢性呼吸器疾患を抱えた当人とその家族のQOLの向上を支えるために、専門的な知識を必要としない、呼吸困難の緩和方法を探究することが求められる。 呼吸困難に対する非薬物的介入には、体位調整、運動療法、不安の軽減などが挙げられる。顔面への冷風刺激による呼吸困難感の緩和を報告する研究があるが、三叉神経領域、特に皮膚感覚において冷点が多く、皮膚感受性が高い前額部に対するFacial Collingの呼吸困難感緩和効果については解明されていない。慢性呼吸器疾患患者を対象として臨床研究を行う前に、健康な成人を対象として、Facial Coolingの心身への影響、特に呼吸困難感の改善に効果があるのかを明らかにする必要がある。 本研究は、三叉神経領域への冷刺激が運動負荷後の呼吸困難感、自律神経活動に与える影響を明らかにすることを目的とする。軽運動負荷後の健康な成人の回復過程において、前額部へのFacial Coolingの有無によって生理学的指標が異なるかを探索的に明らかにする。 本年度は、被験者がマスクを着用した状態で実験操作が可能かを確認し、実験手順の修正・変更を検討するためにプレテストを行った。①マスク着用下で軽運動負荷としての踏み台昇降3分間の実施②質問紙のプレテスト、時間計測③マスク着用下でFacialcoolingを実施し、貼用部位の表面皮膚温測定、を実施した。以上の結果をもって、感染予防策を厳重にした内容に研究計画書を修正し、所属機関の倫理委員会に再申請し、承認を得た。これより本研究を実施する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の拡大が続き、対面時のマスク着用、密の回避が必要な状況があり、実験計画の修正を余儀なくされたため、研究の開始が遅れている。 本研究(実験)では、被験者に、踏み台昇降を用いた運動負荷をかけ、実験操作上の呼吸数増加を生じさせる。マスクを着用して実施する方法に修正するうえで、実施可能か検討を要したため、プレテストを実施した。プレテスト結果をもとに実験手順を変更、計画書を修正し、所属機関の倫理委員会に再審査を申請、承認を受けた。
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今後の研究の推進方策 |
マスクを外して実験を行うことは、今後も困難であることが予想される。 ①被験者には、マスク着用のまま踏み台昇降を行うこと、体調に不安がある場合は実験にご協力いただけない旨、説明する。 ②実験室に空気清浄機を設置する ③マスクした状態での踏み台昇降での疲れや不快が大きい場合は速やかに実験を中止する。
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次年度使用額が生じた理由 |
本研究は、健康な成人に踏み台昇降を用いた運動負荷をかけ、呼吸数が増加した状態でFacial coolingを実施し、その効果を検証する予定であった。しかし、新型コロナウイルス感染症が拡大し、マスクを外しての実験が不可能であるため、研究計画を修正し、倫理委員会に再申請した。実験が実施できておらず、被験者の謝礼、実験に関わる消耗品、実験用のPC等を購入していないため、次年度使用額が生じた。 今年度は個人防護具、手指消毒剤等を購入し、感染拡大下でも感染予防に努め実験を実施していく予定である。
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