研究課題/領域番号 |
20K10700
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
平岡 玲子 順天堂大学, 保健看護学部, 講師 (00514283)
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研究分担者 |
山田 千春 兵庫医療大学, 看護学部, 准教授 (00510869)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 看護学生 / 静脈血採血 / 技術習得 / 超音波エコー / 視線運動 |
研究実績の概要 |
今年度は1年目のため、目的である介入方法に違いにより看護学生の「静脈血採血」技術の習得に差異があるかを検証するために、環境整備を行い、データ収集を行った。大学施設がCOVID-19により入構制限があったため、状況が落ち着いた9月頃より、施設内の安全管理室に報告しながら感染対策を徹底して3月末までに50名の学生を対象にデータを収集することができた。しかし、不備などによって分析対象とならないデータもあり、それらを削除して、各15データを分析対象とすることができた。 現在は得られたデータの分析途中であり、①介入なし、②教員支援による介入、③超音波エコーの器機使用による介入方法の違いによって手術手技がどの程度実施できたかどうかを対象者に質問したアンケート調査では、②超音波エコーの器機使用による介入が最も効果があったとの結果であった。特に、「静脈血採血」技術において「血管の選定」「血管の穿刺」などの最も困難と思われる手技において有意差があった。しかし、これは学生自身の自己評価のため、ビデオ画像により教員の他者評価も併せて行っている。その結果、学生自身が困難で実施が不十分だと感じた技術であったとしても、手順としては問題なく実施できている手技もあり、ビデオ画像の分析は全て終了していないため、引き続き研究分担者と2人で動画による手技の確認を行い、主観的評価と客観的評価の差についても分析を進めていく予定である。また、「静脈血採血」実施中の視線運動を測定したが、その視線の動きと不安、実践状況との関連は見られなかった。今後の課題としては、視線運動と技術実践状況の関連性をもう少し検証するために、データ数を増やしていき関連を検証していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一時、大学施設の入構制限があり、対象となる看護学生の研究参加が難しい状況があり、データ収集も進まない時期があった。しかし、3月末までに50名の対象者のデータ収集ができたので、概ね順調に進展していると判断した。ただ、当初の予定は60名であったため、状況をみながら追加でデータ収集を進めていきたい。 また、以前の研究では、視線運動と看護学生の看護技術実践の際の視線運動と不安に関連が認められたため、今回も視線運動と不安、技術実践の状況についての関連を明らかにしたかったが、データ上、関連はみられなかった。研究全体としては概ね順調に進展していると思われるため、当初の目標データに向けて、早いうちに10名のデータを収集したいと考えている。
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今後の研究の推進方策 |
今あるデータの分析を進めたい。アンケート質問紙調査の結果は概ね分析が終了したが、その主観的評価とビデオ画像による他者評価の関連を検討するためにも、残りのデータのビデオ画像の分析を進め、18項目に分類した「静脈血採血」の技術手技ごとにどのような特徴があるかを確認する。視線運動と技術実践状況の関連については再検証したいため、器機の再点検、環境整備を行い追加のデータ収集を行いうことと、以前実施した研究との状況の違いを検証して、再度、必要数のデータ収集を行うか、新たな視点で考察を進めていくかを分担者と検討して進めていきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
学会出張、研究分担者との打ち合わせ等で旅費、その他の使用が大幅に減額した。今年度は、可能な限り発表での学会参加を行い、研究分担者と共に打ち合わせを行いながらデータ収集を行いたい。 視線運動器機の追加購入について感染対策予防の観点かた大学内でのデータが収集できなかったとと、分析途中の結果から視線運動のデータのとり方などを検討すべきか考えていたため年度内での購入を見合わせた。今年度は、追加のデータ収集も検討しているため、器機の追加購入を行う。
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