研究課題/領域番号 |
20K10700
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
平岡 玲子 順天堂大学, 保健看護学部, 講師 (00514283)
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研究分担者 |
山田 千春 兵庫医療大学, 看護学部, 准教授 (00510869)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 看護学生 / 静脈血採血 / 技術習得 / 超音波エコー / 視線運動 |
研究実績の概要 |
本研究の目的である、静脈血採血の習得を促すために効果的な介入について、①介入なし、②教員支援による介入、③超音波エコーの器機使用、3つの介入方法の違いによりその効果を調査した。 昨年度は、当初予定していたデータ数を得ることができ、分析を進めることもできた。その結果、3つの介入方法の中で②超音波エコーの器機使用による介入が手技の達成度に最も効果がみられた。さらに、超音波エコーを用いての介入方法では、「血管の選定」「血管の穿刺」などの最も困難と思われる手技において有意差があり、技術習得のための介入方法として効果的だと考えた。さらに、この結果は自己評価の主観的な評価から得られたものであり、教育評価の検証として、ビデオ画像の分析を進め今年度で全て終えることができた。しかし、確認の結果、2~3分の手技で手順書もある中で、大きく変わった動作をとったりすることがなく、やるべき手順を抜いてしまう対象者はいたが、それが介入方法の違いによって異なるとはいいがたいものであった。 学習効果を客観的に評価するために視線軌跡を用いたたが、その視線の動きと不安、そして実践状況との関連は見られなかった。そのため、さらにデータ数を増やすという方向で検討していたが、視線軌跡の分析方法の検討も必要ではないかとの意見のあり、それが明確になってからデータ収集を再開することとした。研究成果として、介入方法におる効果はあるが、それをどう示すか、別な分析方法も検討する必要があるかも併せて共同研究者と検討中である
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
本来であれば、投稿を終えている予定であったが、現在のままでは客観的な効果を示すことが難しい状況にある。介入方法によって差はないという結果の提示方法もあるが、対象者が超音波エコーを用いることで手技達成度に効果があったと評価し、他の介入方法とくらべて有歳差があったことを客観的な効果として、どのように示していくか、まだ解決には至っていない状況である。そのために視線軌跡を用いて認知的側面を客観的に捉えようとしていたので、上手く視線軌跡を生かせるように共同研究者と検討を重ねて進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
次年度で終了となるため、追加のデータ収集を行う場合は7月末を目途に行う。8~9月が比較的研究に取り組む時間が確保できるため、7月中に必要数のデータが収集できない場合は、8月にもデータ収集を行う予定である。その後、メーカーさんにも協力を得て、分析方法の可能性を検討したいと考えている。 10月には日本看護教育学会に投稿し、年度内には掲載を目指し、成果を示したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
昨年度末に視線軌跡の測定器機の不調があり、メーカーに修理依頼を行った。幸いなことに、ケーブルの断線で一般的なケーブルで代用可能とのことであったが、精密機器でもあり、万が一、修理が必要になった場合を考えて、想定される修理額を確認してその分の使用を控えていた。さらに現在、共同研究者との検討もオンライン上が多く、出張費などが大幅に減少となり未使用となった。 今年度は、共同研究者と対面での打ち合わせを定期的に行い、新たな分析ソフトの購入や視線軌跡の測定機器機能拡大のための費用として使用したいと考えている。
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