研究課題/領域番号 |
20K10702
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研究機関 | 京都先端科学大学 |
研究代表者 |
嶌田 理佳 京都先端科学大学, 健康医療学部, 教授 (40331673)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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キーワード | 看護教育 / シミュレーション / 模擬患者 / リアリティ / 看護実践能力 |
研究実績の概要 |
今年度は4年生を対象とした臨地実習「急性期療養支援実習」の学内演習においてMASK-EDの実施を計画していた。しかし、新型コロナウイルス感染症の影響により臨地実習が全面的に中止となり、学内での対面式の演習も制限されたため、当初計画していた対面式の演習による実施を断念せざるを得ず、計画していた通りの内容は実施できなかった。 そこで、代わりの研究方法をいくつか検討し、実施の準備を行った。今年度内は新型コロナウイルス感染症の対策を考慮した授業形態となることが予想されたことから、対面接触が不要なインターネット利用によるオンラインのリアルタイム演習を計画した。しかし、テスト段階で、オンラインの場合は参加する学生のインターネット環境によって視聴状況が左右されることや、学生によっては携帯電話を視聴用デバイスとして使用していることが明らかになり、これらが学習効果に大きく影響する可能性が高いことがわかった。このため、オンラインを活用した方法のみでは実施はできても学習の効果(研究の成果)を評価することが難しいと判断し、断念した。次に、リアルタイム演習ではなく、オンデマンド方式による演習を行うことを考え、新しい演習方法を考案するための情報収集と検討を行った。 まず、感染対策を考慮した実習や演習の実践例を学ぶために、Web講習会に参加した。これにより、模擬患者の設定方法や演習の進め方、学生へのフィードバック方法など、多くのアイディアを得ることができた。さらに、VRを用いて演習の様子を録画し、動画として学生に配信する形の演習について検討を行った。VRによる演習経験のある教員から演習方法や学生の反応を聞き、実際に活用できることを確認することができた。また、VRの使用経験のある教員から撮影方法を聞くなど、情報収集を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
計画では臨地実習の学内演習において実施する予定であったが、新型コロナウイルス感染症のため臨地実習が全面的に中止となり、オンラインによる実習に切り替わったことから、計画を大幅に変更せざるを得なかったのが大きな理由である。代替実習の方法では計画を実施できるかめどを立てられず、研究協力者の確保も難しかったことも、進捗が遅れた理由である。
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今後の研究の推進方策 |
新型コロナウイルス感染症の懸念は今後も続くことから、従来の計画については感染対策を考慮した内容に変更し、実施していく。具体的には、対面で行う演習計画から非対面でも可能な動画やVRなどインターネットコミュニケーションツールを活用した方法による新たな計画を検討して実施する。いずれも演習のテーマ別に動画を撮影して配信し、学生が自己学習しながら患者のケアを考えるものとする。 並行して、対面授業が可能となった場合に計画通りに実施できるように準備進める。
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次年度使用額が生じた理由 |
2020年度に予定していた実施ができず、研究費を使用する必要性が生じなかった。次年度は研究遂行のために購入する物品や謝金が必要となり、変更分を使用したい。
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