研究課題/領域番号 |
20K10704
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研究機関 | 川崎医療福祉大学 |
研究代表者 |
竹田 恵子 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 教授 (40265096)
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研究分担者 |
上野 瑞子 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 講師 (00808230)
實金 栄 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (50468295)
小薮 智子 川崎医療福祉大学, 保健看護学部, 講師 (70435345)
井上 かおり 岡山県立大学, 保健福祉学部, 助教 (70771070)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 認知症高齢者 / 日常倫理 / 急性期病院 / 看護管理 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は,アクションリサーチにより急性期病院において認知症高齢者への日常倫理に基づくケアが組織文化 として定着するための看護管理システムを構築することである。今年度は,アクションリサーチの実施に先立ち,急性期病院における認知症高齢者への看護実践の内容を日常倫理に着目して明らかにすることを目的に,文献検討を行った。「認知症」「高齢者」「急性期病院」をキーワードに医学中央雑誌Web版を用いて2016年以降の看護の原著論文を検索した。急性期病院にける認知症高齢者への看護実践に関する17文献のうち看護実践の内容が読み取れる6文献を分析対象文献とした。「看護実践の内容」を表している記述を抽出し,日常の看護実践における倫理(日常倫理)に着目して質的帰納的に分析した結果,【個別性を理解し尊厳を大切に関わる】,【穏やかに安心して過ごすことを支える】,【治療と安全の両方を大切にする】,【生活を整え回復過程を促進する】,【多職種チーム・他機関連携で支える】,【認知症看護の質向上に努める】という6つのカテゴリーが生成された。急性期病院における認知症高齢者への看護実践は,認知症高齢者に特有のリスクを踏まえ,ひとりの人としての尊厳が保てるように関わり,治療と安全の両方を大切にした看護実践を目指していることが示された。2016年の診療報酬の改定により設けられた認知症ケア加算を背景に,急性期病院の看護師を対象に各地で行われている。日常倫理は認知症高齢者が尊厳を保ち入院生活を送るうえでの鍵となるが,認知症看護に関する研修などへの参加と学びの共有が,急性期病院における日常倫理に基づく確かな看護実践に繋がっているのではないかと推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
コロナ禍のなか研究遂行の時間が十分に確保できず,計画の実施ができなかった。研究協力施設の内諾は得ており,事前準備としての研修会および倫理申請の準備中である。
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今後の研究の推進方策 |
まず,研究スケジュールの見直しを行う。共同研究者,研究協力者との定期的なミーティングを開催し,計画的に研究を展開する。倫理委員会の承認を得た後,速やかに研究が進められるように事前準備を整える。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究実施の遅れに伴い,講師謝金,講師交通費,情報収集旅費,事前研修会等に係る費用の支出がなかった。 今年度,前年度実施予定の計画を行う際に前年度使用予定の研究費を執行する。また,今年度予算については研究の進行に伴って計画に沿って執行する。
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