研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本の超高齢社会において、高齢者を地域で支援するための看護力の強化につながり、看護職者のメンタルヘルス対策となり得る「バーチャルコミュニティで展開する対人スキル小集団プログラム」の実用化に向けて、プログラム提供の持続可能なシステムを構築することである。特に高齢の潜在看護職者がアドバイザーとして活躍し続けるシステムを構築することを目指している。具体的には、対人コミュニケーションの訓練効果が実証されているSSTの基本訓練モデル(認知行動療的援助技法である小集団訓練)の枠組みを使用し、アドバイスの基本理論となるアサーション技法のDESC(Describe, Express, Specify, Consequences)法やSFA(Solution-Focused approach)を活用したアドバイザーのためのマニュアルを作成することである。 今年度は、小集団プログラムにおけるアドバイザーの役割と在り方および課題について検討した。その中で理論に基づいたアドバイスの内容や方法に加えて、アドバイザーの経験を含む個性が活かされることの重要性が確認され、柔軟性のあるマニュアルの必要性が明らかにされた。アドバイザーためのマニュアル(案)を作成し、高齢の潜在看護師3名から意見を聴取し検討を加えた。マニュアル(案)は、プログラムのステップに毎に、相談者の相談内容を予測した分類表を基に、標準的返答枠組みを使用して返答を作成するものである。実用化に向けて、相談内容の多彩さに対応できるように、分類内容を充実させるという課題が明確になった。
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