研究実績の概要 |
本研究の目的は、日本の超高齢社会において、高齢者を地域で支援するための看護力の強化につながり、看護職者のメンタルヘルス対策となり得る「バーチャルコミュニティで展開する対人スキル小集団プログラム」の実用化に向けて、プログラム提供の持続可能なシステムを構築することである。特に定年退職後の高齢の潜在看護職者や妊娠・出産・育児や家族の介護などの理由により臨床から離れざるを得なかった潜在看護職者に注目し、それぞれの経験と能力を発揮し、ワークライフバランスを考慮した各人のQOLを保ちながら、アドバイザーとして活躍し続けるシステムを構築することを目指している。具体的には、対人コミュニケーションの訓練効果が実証されているSSTの基本訓練モデル(認知行動療法的小集団訓練)の枠組みを使用しアドバイスの基本理論となるアサーション技法のDESC法(Describe,Express,Specify,Cosequences)やSFA(Solution-Focused approach)を活用したアドバイザーのためのマニュアルを作成し、試行および稼働させて、持続可能性の評価と課題を明確にすることである。 今年度は、前年度に作成した、相談者、アドバイザー5名(A~E)、進行役のマニュアルに対して、ロールプレイによる試行を繰り返し、その結果を基に修正を加え、最終版のマニュアル冊子を完成させた。また、相談者、アドバイザー、進行役の全ての参加者の時間と労力を最小限にし、出産や育児、介護など様々なライフステージにも対応可能な「好きな時に」「好きな場所で」をより可能とするタイムスケジュールを作成した。
|