研究課題/領域番号 |
20K10711
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
大西 敏美 香川大学, 医学部, 助教 (80782218)
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研究分担者 |
市原 多香子 香川大学, 医学部, 教授 (10274268)
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研究期間 (年度) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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キーワード | 心肺蘇生法 / 退院時指導 / 家族看護 |
研究実績の概要 |
本研究では、自宅で心停止のリスクが高い循環器疾患患者の家族を対象に、退院時指導として、心肺蘇生法の指導がどの程度、どのような形式で実施され、どういう成果を得ているのかを明らかにして、退院時心肺蘇生指導教育プログラムの開発を目的としている。今年度は、全国の医療機関の看護師を対象とし、心疾患患者家族への退院時心肺蘇生法指導の実施割合、実施方法、高齢家族に対する指導方法について、今後の心疾患患者家族に対する退院時心肺蘇生法指導の課題を明らかにすることを目的にweb調査を行った。研究成果は以下のとおりである。1.対象者への質問項目について、昨年度実施した心疾患患者の家族に対して、看護師が心肺蘇生法の指導について論じている文献検討結果より得られた項目を基盤として質問紙を作成した。2.調査開始前に、所属機関の倫理審査委員会の承認を得る手続きを行った。3.医療機関検索サイト(日本病院会都道府県別会員一覧)に掲載されている国内の循環器科および内科を有する300床以上の全病院871施設と、全国の救命救急センター290施設を合わせて、重複施設を除去した合計932施設、1159人のCPR指導にかかわる施設の看護代表者を対象に全数調査を実施した。現在、結果の分析を行っている。4.日本看護研究学会 中国・四国地方会 第35回学術集会にて成果報告(演題「退院時心肺蘇生指導に関する日本における研究の動向」3月。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究の目的は、全国の医療機関における循環器疾患患者とその家族を中心とした退院時心肺蘇生指導の実態を明らかにし、循環器疾患患者とその家族に対する退院時心肺蘇生指導教育プログラムを開発することである。令和3年度は、1.令和2年度に実施した「退院時心肺蘇生指導に関する日本における研究の動向」を学会にて成果報告することができた。2.所属機関の倫理審査の承認を得て、全国の医療機関の看護師を対象とし、循環器疾患患者家族への退院時心肺蘇生法指導の実施割合、実施方法、高齢家族に対する指導方法について実態調査を行ない、今後の心疾患患者家族に対する退院時心肺蘇生法指導の課題をWeb調査によって明らかにすることを目的とし、計画通りの調査を実施することができた。268名からの回答があり、Web調査では目標としていた400名には及ばなかったが、268名の看護師からの回答が得られた。現在、結果の分析を行っている。
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今後の研究の推進方策 |
令和4年度は、令和3年度に行った「全国の医療機関における看護師の心肺停止ハイリスク患者家族を対象とした退院時心肺蘇生法指導の実態調査」のデータ分析を行い、調査結果の公表は、関連学会への学会発表を予定している。これらの調査結果と考察から、退院時心肺蘇生指導教育プログラム(案)を作成する。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由としては、郵送質問紙調査の往復の切手代が、web調査で行ったため、往信の郵送料ですみ計画より少額ですんだ。「全国の医療機関における看護師の心肺停止ハイリスク患者家族を対象とした退院時心肺蘇生法指導の実態調査」を実施するにあたり、選定した施設の住所録作成などの入力や事務的業務の人件費を計上していたが、自分でこれらの作業を行ったため、人件費の使用が不使用となった。今年度は、分析に際してのセミナー参加費、データ整理のための人件費、データ分析及び保存のためのハードディスクの購入、成果発表のための国内旅費を予定している。
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